プレミアリーグ第31節、チェルシーvsブレントフォードが2日にスタンフォードブリッジで行われ、アウェイのブレントフォードが1-4で逆転勝利した。

クラブを巡るゴタゴタは続くものの、公式戦6連勝とピッチ上では一体感のある戦いぶりでリーグ3位を維持するチェルシー(勝ち点59)。週明けにチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝のレアル・マドリー戦を控える中、今節は15位のブレントフォード(勝ち点30)を相手に7連勝を目指した。

トゥヘル監督は代表戦の影響やマドリー戦を考慮してか、若干のターンオーバーを行い、マルコス・アロンソやロフタス=チークをスタメンで起用。[4-3-3]の3トップは右からツィエク、ハヴァーツ、ヴェルナーとなった。

代表戦明けの重さを感じさせる入りとなったチェルシーは、立ち上がりにGKメンディのパスミスからトニーに決定機を与えるなど、押し込まれる入りを強いられる。以降も、運動量、切り替えの精度で勝るアウェイチームの推進力ある攻めに手を焼き、トニーの決定的なシュートをGKメンディのセーブで凌ぐなど、劣勢の時間帯がしばらく続いた。

それでも、前半半ばを過ぎた辺りから相手の球際の強度に順応し、相手陣内でのプレータイムを増やし始める。引かれた際には崩し切れない場面が目立つ。それでも、カウンタープレスや要所で見せる個人技でチャンスの糸口を手繰り寄せ、32分にはロフタス=チーク、39分にはツィエクと相手GKラヤにファインセーブを強いり、先制点こそ奪えなかったものの、盛り返す形でハーフタイムを迎えた。

その流れを生かして入った後半にチェルシーは圧巻のゴールで先手を奪う。48分、相手のバックパスのミスで得たセットプレーの流れからボックス手前左でカンテからパスを受けたリュディガーがゴールから30メートル以上離れた位置から右足を強振。無回転気味の強烈なシュートが左ポストの内側を掠めて逆サイドのネットに突き刺さった。

敵味方関係なく、多くの選手が思わず頭を抱えるプスカシュ賞級のゴールによってブリッジがざわつく中、ホームチームに生まれた隙を見逃さなかったのはアウェイチームは、ここから鮮やかな反撃で一気に試合を引っくり返した。

失点からわずか1分半後に相手のクリアをハーフウェイライン付近で撥ね返すと、それをトニー、ヤネルト、ムベウモとダイレクトで繋ぐと、ボックス左でフリーとなったヤネルトが強烈な左足のシュートをゴール左上隅に突き刺す。

さらに、畳みかけるアウェイチームは54分、チェルシーのセットプレーの波状攻撃を撥ね返してロングカウンターを発動。ツィエクとうまく入れ替わったムベウモがそのままボックス左まで持ち込んでDFに囲まれながらもうまく折り返すと、ゴール前にフリーで走り込んだエリクセンが冷静に左足のシュートを流し込み、デンマーク代表での2試合連続ゴールの流れに乗ってクラブでも加入後初ゴールを挙げた。

このまさかの連続失点を受け、トゥヘル監督はマルコス・アロンソを下げてリース・ジェームズを投入。だが、一度狂った歯車は簡単には戻らない。60分、相手ゴールキックを左サイドでうまく繋がれてトニーの斜めのスルーパスに抜け出したヤネルトに左足のシュートを許すと、GKメンディが何とか触ったがボールはそのままネットに吸い込まれた。

これで2点を追う展開となったチェルシーヴェルナー、カンテを下げてコバチッチルカクを投入。リース・ジェームズ、ツィエクをウイングバックに置く[3-4-3]の形に変更した。

ここから攻勢を強めるホームチームは、好調のハヴァーツに幾度も決定機が訪れるが、トラップ際のハンドでゴールが取り消しになるなど、なかなかゴールをこじ開けられない。

後半終盤にかけても最低限の勝ち点1を獲得すべく前がかるチェルシーだが、球際で高い集中力を保つアウェイチームを前にあと一押しが足りない。すると、87分にはセットプレーの場面で短くなったクリアボールを途中出場のウィサに蹴り込まれて4点目を献上し、万事休す。

今シーズン最多4失点で公式戦連勝が「6」でストップしたチェルシーは、週明けに控えるマドリー戦に大きな不安を残す形となった。

サムネイル画像