遺体から臓器が抜かれ、そばには心臓と羽根を載せた天秤、さらにはヒエログリフの刻まれた石板が……。「殺人分析班」シリーズの人気キャラクター、鷹野秀昭(青木崇高)を主人公にしたクライムサスペンス『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』では、鷹野が新たな部署で猟奇殺人事件の捜査に奔走。残り3エピソードとなり、物語はいよいよ佳境を迎えている。

これまでのシリーズでは警視庁捜査一課の一員として、鋭い洞察力と冷静な判断力を発揮してきた鷹野。しかし、シリーズ前作にあたる『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』のラストで、彼は公安部へ異動。現在は新天地で新たな事件と格闘している。

先週放送&配信された第7話では、ついに捜査が大詰めの段階に。公安が長年にわたってマークしてきた裏組織“葬儀屋”と事件の明確なつながりが判明し、鷹野らが追う猟奇殺人事件の第1の被害者、第2の被害者との関係も見え始めた。そんな矢先、鷹野と相棒の氷室(松雪泰子)はある場所で謎の白骨死体を発見し……。

白骨化した遺体は誰なのか? これは第3の被害者なのか? 第8話では、“葬儀屋”の正体と内情がひとつひとつ明らかに。猟奇殺人事件の被害者たちと大学時代を共にした男ふたり、個人投資家の堤(山路和弘)と現在消息不明の里村に捜査対象が絞られていく。それを受け、公安メンバーたちは里村の足取りをつかもうと、不審な堤を泳がせることに。だが、事件の核心に迫るのも時間の問題かに思えた途端、ある意外な人物が捜査線上に浮上する。

捜査も終盤に差し掛かり、公安チームの連携にもこれまで以上の切れ味が。第8話の後半では、本来の公安らしさが光る捜査プレーも再び登場する。それに前後し、鷹野と公安メンバーの関係もネクストステージに。これまでも鷹野と気さくに接してきたベテラン巡査部長の国枝周造(小市慢太郎)は、公安では異質とされる“鷹野らしさ”を認めている様子。長いキャリアを持つ国枝の過去に何があったか、鷹野にふと漏らす第6話でも彼の人となりが見えた。また、チーム最年少の溝口晴人(福山翔大)は鷹野と適度な距離を保ってきたものの、第7話ではいつの間にか彼をサポート。鷹野の人柄に影響されつつあるようだ。一方、チーム内で鷹野に最も厳しく当たってきた警部補の能見義則(徳重聡)は、その態度をいまだ崩していないが……。個性溢れる彼らと鷹野の関係も、ラストに向けての注目ポイント。事件の行方共々、“公安部内ドラマ”も見守っていきたい。

文:渡邉ひかる

<番組情報>
WOWOW『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』

毎週日曜夜10時 放送・配信中(全10話)

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『邪神の天秤 公安分析班』