駅のホームでは、利用者が電車との接触事故を起こしたり、線路に転落をしたりしないよう、いろいろな防止策がとられています。

そういった事故が起こると電車の運行に支障が出るほか、最悪の場合は利用者の命にかかわる可能性も。

ホームドアが導入されていない駅でも、ホームの端には点字ブロックが設置されており、「白線の内側にお下がりください」というアナウンスが流れます。

『撮り鉄』による転落事故が議論に

2022年4月2日東京都八王子市にある八王子駅で、E653系の臨時特急『いわき』が走行。

駅のホームには、旧国鉄時代のリバイバル編成が走行すると知った鉄道ファンが多数押し寄せました。

車両付近に集まったのは、鉄道を撮影することが好きな、通称『撮り鉄』。FNNプライムオンラインによると、30人ほどが密集していたといいます。

撮り鉄』の一部の人が点字ブロックを越えて列車を撮影していると、カメラを持って身を乗り出していた1人の男性が線路に転落。

幸い、駅員3人の助力によって男性はホームによじ登ることができましたが、人身事故につながっていた可能性もあったでしょう。

いうまでもなく、点字ブロックを越えた場所での撮影行為は、安全面から配慮するよう呼びかけられています。

マナー違反によって起こった事故に、ネットからは「映像を見てゾッとした」「信じられない」といった怒りの声が続出しました。

鉄道ファンからも非難の声が

今回の転落事故を批判しているのは、鉄道ファンも同じ。

マナー違反をした人と同じ趣味を持つ『撮り鉄』からも、「同じ趣味を持つ人間として恥ずかしい」という声が上がっています。

・どうして鉄道が好きなのにマナーを守れないのか。迷惑をかけてしまうのか…悲しい。

・一歩間違えたら死者が出ていた。こういう人がいるから、自分たちも同じ目で見られるんだ。

・こういう騒動があったら、そのうち規制につながってしまうかもしれない。本当に鉄道が好きなんだろうか?

残念なことに、『撮り鉄』に限らず、不特定多数の人が集まるコミュニティには、マナーを守らない人が一定数存在するもの。

そういった人が目立ってしまうと、コミュニティに属する人に対する目が厳しくなってしまうでしょう。

一人ひとりがマナーについて考えたり、周囲の人に呼びかけたりするよう求められています。


[文・構成/grape編集部]

出典
FNNプライムオンライン“撮り鉄”駅ホームから転落 人気列車に殺到 押し出され
※写真はE653系別種