映画『ドライブ・マイ・カー』凱旋舞台挨拶イベントが5日、都内にて開催。西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか、濱口竜介監督が登壇した。


村上春樹の短編を映画化した同作は、第94回アカデミー賞®にて国際長編映画賞を受賞。同賞の受賞は、日本では2009年の映画『おくりびと』以来の快挙となった。


受賞時の心境を聞かれた濱口監督は「頭の中が真っ白になるというのはこういうことだ」と感じたことを告白。「西島さんと岡田さんと共同脚本の大江(崇允)さんと抱き合って、ちょっと気持ちを落ち着けて、なんとかスピーチをしなきゃいかんということで出ていった」と振り返った。


西島はその様子を「晴れがましい思いで見ていました」とコメント。「『スピーチ、すごいプレッシャーだろうな』と思ってドキドキしながら見ていて、そしたら英語で全部やられたので、会場の全員に気持ちが伝わっているのを僕も感じたので、非常に感動しました」としみじみと語った。


岡田も「本当にうれしかったですし、体が勝手に監督のほうに抱きつきに行っていた」と吐露。「壇上で監督がスタッフの方々やキャストの皆さんの名前を言ってくださるだけでウルッときてしまうというか、貴重な体験をさせていただきました」と感慨深げだった。


その後、7か月以上の期間、劇場での公開が続いており、現在では同作の興行収入が10億円を突破していることを司会が発表。西島は「ロングランで長く映画がかかるって、映画に携わるものとしては一番うれしいこと」と喜びを口にした。


さらに「特にこの映画は時間をかけてゆっくりゆっくり見た方に伝わる映画だと思っている」と作品を分析。その上で「こうやって長くかけていただいて、ゆっくりゆっくり観客の皆さんが見に来てくださっているのはとても幸せなことだなと思って、スタッフの1人としてすごく感謝しています」と感謝を述べた。


最後に西島は「この現場は本当に素晴らしい現場で、今思い返しても、キャスト、スタッフがお互いを尊敬し合って尊重し合って大切に時間をかけて作った映画です。戻れるものなら戻りたい。もう一度。本当にそれくらい素晴らしい現場でした」と撮影現場を回顧。


「『映画は、観客の皆さんに見てもらうことで完成する』と言いますけれども、この映画こそ、まさに観客の皆さんに今も育てられている映画だと思います。少しずつ少しずつ、観客の皆さんが見てくださることで、どんどんどんどん、ゆっくりゆっくり大きく育っているような映画なのかなと思っています。本当に本当に心から感謝しています」と観客へメッセージを送った。


【画像】オスカー像を前に笑顔の西島秀俊


映画『ドライブ・マイ・カー』は全国超ロングラン上映中!

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