1201_seisyounen.jpgニコニコ生放送2010年11月29日夜に配信された討論番組「マンガアニメの危機!? 徹底検証『都青少年育成条例』」。津田大介氏の司会のもと、人気マンガ家赤松健氏、批評家東浩紀氏、マンガ評論家の永山薫氏、弁護士の山口貴士氏らが集まって、東京都の青少年健全育成条例の改正案について様々な角度から話し合った。

冒頭から今回の改正案に対する疑問の声が次々と上がった。永山氏が「都の言い分は『(過激な性表現を含む一部の出版物は)現行条例では規制できない』ということだが、改正案に盛り込まれたことは、すでに現行の自主規制勧告の対象になるのでは?」と疑問を投げかけると、日本雑誌協会・編集倫理委員会の高沼氏と西谷氏が「もちろん自主規制の対象になります」と応答。「自主規制をきちんとやっていると説明しても、まだまだ自主規制が足らないと言われる」「現行のままでも都がやりたいことは十分できるはずなのに、なぜ法改正してまでする必要性があるのか非常に不思議に思う」と東京都の対応に疑問を呈した。

議論は、マンガアニメに対する規制から、児童ポルノ規制の是非にまで及んだ。東氏は、マンガ規制と児童ポルノ規制が同じ文脈で語られていることを問題視して、切り離して考えるべきだと主張。日本が児童ポルノの単純所持を禁止していないのは国際社会の潮流に反するとして、「子供の性的な表現物を商品にするのは児童虐待に類するものであるというコンセンサスは大抵の国である。その拡張版にマンガが含まれないようにするためには(マンガ児童ポルノを)明確に分ける必要があるのではないか」と、児童ポルノ規制の強化をやむえないという見解を示した。

これに対して、山口氏は「日本の児童ポルノの定義は漠然として広範囲。他の国で単純所持を規制しているからと言って、何を規制するか議論しないで規制の方法を議論するのはナンセンスだと思う。」と反論。二人の間で、激しい言葉の応酬が繰り広げられた。

マンガアニメに対する規制に反対する論者の中でも認識に違いがあることが浮き彫りになったが、実際に現場でマンガを描いている赤松氏は独自の視点から「そもそも論」を展開。「(改正案に反対している)論客だけを集めて議論しても意味がない。アグネスが出てきて涙を流せば(世論は)感情論に流され、向こうへ行く。識者が集まって正論を言うというアプローチは良くないのではないか。やり方を変えないといけないのではないか」と訴えた。

マンガアニメの危機!? 徹底検証「都青少年育成条例」(赤松氏の発言シーン
http://live.nicovideo.jp/watch/lv33251220#53:44
(番組はタイムシフト機能2010年12月6日まで視聴できる)

(三好尚紀)