日本ハムは8日の楽天戦(札幌ドーム)に0―3と敗れてパ・リーグ最速で10敗目を喫した。先発の伊藤が乱調、打線もわずか4安打に封じられ、完封負けは今季12試合目にして早くも5度目の屈辱となった。

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 この日の先発は昨年の東京五輪にも出場した若手の有望株、伊藤。元々制球力の良さで知られるが、この日は3回に二死満塁から鈴木に押し出し四球を与えると、6回には西川に右前適時打を許すなど、6四死球と乱調で6回3失点。2敗目を喫した。打線も相手先発・早川に7回までわずか2安打と苦戦を強いられた。

 これでパ・リーグ最速10敗目と開幕から未だ2勝と厳しい状況が続いている。一方でセオリー無視の独自路線で選手を育成しようとしている新庄ビッグボス流にも疑問の目が向けられている。

 注目を集めているのは6日のロッテ戦(札幌D)で2点をリードする7回の場面だ。二死二、三塁のピンチで岡を迎えた場面で、先発の加藤に代え、杉浦をリリーフに送った。この回、加藤は先頭マーティンに四球、佐藤都に中前打を許すも、続くレアード、山口を連続三振に打ち取り、二死二、三塁としていた。しかも加藤は岡に対し、この試合で2打席連続三振と完璧に抑えてもいた。

 そしてスイッチされた杉浦は岡に対し初球が暴投となり、1点を献上すると、その後エチェバリアに右前適時打を許し、2―2と試合を振り出しに戻し、結果として粘投を続けていた先発・加藤の勝ち星を消すことにもつながった。

 この采配意図について新庄監督は杉浦にとって、ロッテ・岡が昨年4月にサヨナラ弾、10月にも9回2死から同点2ランを浴びるなど、相性の悪さは分かっていたとした上で「杉浦君が去年、岡君に打たれていたから、ここで『よし』と思って。いけって。1回それを取り除かないと、ずっとひきずってしまってね。岡君きた、あ、代えようじゃ成長にはならない」と苦手意識を払拭するためにもあえて、ショック療法として起用したと語った。


 一方、この起用に関してはこんな声もある。

 「まず杉浦に対して、こういった意図を持って起用することもあると事前に説明していたのか。首脳陣の意図がきちんと伝わっていたのかが疑問に残った。結果として先発の勝ち星を消すことにもつながり、誰も得をしない采配となっている。苦手意識払拭とはいえ、やや乱暴にも感じる」(球界関係者)。

 実際この試合直後からネット上では「このような起用は(勝利を願う)ファンをないがしろにしている」「勝つ気はないのか」と、勝利放棄とも取れる起用に疑問の声が噴出している。

 投打ともにかみ合わずの10敗目が今のチーム状況を象徴しているともいえる。「今年1年はトライアウト」とあくまで勝敗を度外視して、育成に力を入れると宣言している新庄ビッグボスだが、ナインがどこまでついていけるかは不透明。ファンがやきもきする日々は続きそうだ。


新庄ハム いよいよ「内部崩壊」か パ・リーグ最速の10敗目 波紋呼ぶ「ショック療法」とは