チェコのアニメーション巨匠カレル・ゼマンの特集上映『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』より、“幻想の魔術師”と称される氏の代表作を詰め込んだ予告編映像が解禁された。

【動画】S・スピルバーグ、宮崎駿らに影響 『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』予告編

 カレル・ゼマンは、第二次世界大戦中、チェコ・アニメーションの発祥地ズリーンを拠点にアニメーションの制作を開始したチェコ・アニメーションの創設者のひとり。チェコの伝統でもある人形劇への愛着を強く持つ一方で、切り紙アニメに人形アニメ、実写とアニメの合成などさまざまなスタイルを駆使した斬新な作品を多数生み出した。

 潜水艦飛行船、恐竜や架空の動物など魅惑的な乗り物や動物が次々に登場するSF冒険小説を思わせる作風が特徴的で、スティーヴン・スピルバーグ宮崎駿ジョージ・ルーカスピータージャクソンら名だたる監督にも多大な影響を与えている。

 本作は、ジュール・ヴェルヌ原作の『悪魔の発明』『盗まれた飛行船』、G・ビュルガーの原作をアニメと実写の合成で作り上げたファンタジー大作『ほら男爵の冒険』を含む全10作品と短編『プロコクウ氏 映画制作の巻』を上映。ゼマンの初期から晩年に至る詩情とロマンあふれる究極のメルヘンを一挙に見ることができる。

 解禁された予告編では、『悪魔の発明』『盗まれた飛行船』『クラバート』を中心に構成。アニメと実写が融合された万華鏡のような作品群の片りんが映されている。

 『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』は、新宿K’s cinemaにて4月23日5月6日上映。

■『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』上映作品
『鳥の島の財宝』(1952)
『前世紀探検』(1955)
『悪魔の発明』(1958)
『ほら男爵の冒険』(1961)
『狂気のクロニクル』(1964)
『盗まれた飛行船』(1966)
『彗星に乗って』(1970)
シンドバッドの冒険』(1974
『クラバート』(1977)
『ホンジークとマジェンカ』(1980)
同時上映短編『プロコクウ氏 映画制作の巻』(1947)

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