スタジオジブリの名作映画「風の谷のナウシカ」に登場する戦闘航空機「ガンシップ」を、「ちょっと彫刻してみた」とは思えない完成度で作ってしまったのは、Twitterユーザーのスギモトさん。約200匹の王蟲の群れの上を飛ぶ姿は、まさに原作そのものです。

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 「風の谷のナウシカ」は幼い頃から大好きだといい、中でも怒りにみちて目を赤くした王蟲の群れの上空を飛行するガンシップが、強く印象に残っていたそうです。秋葉原で開催される「1/144飛行機模型コンテスト」に参加することもあり、今回作品のテーマに選ばれました。

 スギモトさんによると1/144サイズのガンシップはキット化されていなかったため、バンダイ1/72サイズのプラモデルを参考に1/144サイズにデッサンタミヤのエポキシパテを用いて作ったそうです。

 エポキシパテはプラ板工作と違って固まるまで作業が出来ないこともあり、胴体や羽根をある程度、塊で作って、それらを繋ぎ合わせて製作したとのこと。

 「ガンシップの美しい曲線を再現することや左右対称にすることが難しかった」と、スギモトさん。

 飛行しているタイプ、着地しているタイプ、羽根を折り畳んだタイプを製作したそうですが、羽根を折り畳んだタイプを作っている時に、劇中で出てきたような蝶々が羽根を畳んでいるような形態にならないことが判明。

 プラモデルの主脚の位置よりももっと幅を狭めたり、羽根を長めにカットしたりするなど、工夫も施し完成させたそうです。「ちょっと彫刻してみたやつ」とツイートしていましたが、いろいろな苦労があったんですね。

 ちなみに王蟲の群れは、別で飛行ガメに吊るされている子どもの王蟲を作った時に、パテで追加工作をして何パターンか製作。シリコンで型どりをして、複製していたそうです。前列の王蟲は真鍮線を使って触手を1本1本再現。迫力が増すよう工夫されています。

 元々、いつかコンテストに出そうと考えていたため、複製自体は何年かかけてコツコツ作っていたとのこと。改造や塗装はコンテストに参加しようと決めた1か月間ですべて仕上げられています。

 王蟲は目がたくさんあるため、「約200匹の塗装は本当に大変でした」とスギモトさん。なんだか聞いているだけで気が遠くなる作業ですね……。

 なお、ここまでのクオリティーにもかかわらず、スギモトさんはまだまだ満足していないようす。

 「スジ彫りが上手くできず、左右対称にならなかった」「操縦席内部ももう少し手を加えたら良かった」と反省点をあげています。この様子だと、そう遠からずのうちにブラッシュアップ版が見られるかも?スギモトさんの創作意欲は、尽きることがなさそうです。

<記事化協力>
あっちゃん【スギモト中尉】さん(@kuromedakaf14)

(佐藤圭亮)

「風の谷のナウシカ」のガンシップを1/144スケールで再現 王蟲約200匹も