元ヤクルト館山昌平氏(40)の挑戦が話題を呼んでいる。今季からBCリーグ福島レッドホープスの投手チーフコーチに就任。現役時代に同じヤクルトで汗を流した岩村明憲監督とのタッグが注目されている。本サイトでは館山コーチに独占インタビューを敢行。今回のチャレンジに関する思いを聞いた。

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 2019年に現役引退後、2シーズンは楽天二軍で投手コーチを務めていた館山氏の今回の挑戦には岩村監督との縁が大きかったという。現役時代は2歳差と年が近いこともあり、よくかわいがってもらっていた。その岩村監督が独立リーグで奮闘している姿を見て「岩村さんが福島に賭ける思いに惹かれました。この人の情熱に乗っていこう」と独立リーグコーチ業を務めることを決意した。

 指導して早速、実感していることもあるという。

 「独立リーグの選手はすごくギラギラしているんです。夢がまだ先にあるという意味で、目標に向かってギラギラしている選手が多い。(指導に対しての)受け止め方や受け取り方が本当に素直で、スポンジのように吸収力を持っている」と認める。楽天でも二軍投手コーチの経験を持つ館山氏だが、独立リーグにおける選手のモチベーションの高さには目をみはったという。

 さらに魅力を感じたのは地域密着にもあった。独立リーグの選手たちは地元で働きながら、夢を追う選手も多い。そういった選手たちに向ける、地域の人々の目の温かさが印象的だという。

 「地元で信頼関係をしっかり築きながら、その恩返しとしてプレーでしっかり成績を残す選手になる、魅力あふれる人間になるというところを選手に求めていきたい」と館山氏。技術向上、改善とともに人間教育にも重点を置いていきたいと語った。


 チームにはNPBも狙えるような逸材も存在するという。ただ館山氏はこうも考えている。

 「NPBに行くことだけがすべてではなく、個々のリーグの中でどれだけ魅力のある野球をできるかということが今後につながってくるのじゃないかと思っています」。その言葉は様々な経験をしたからこそ生まれる言葉でもあった。

 同氏は現役時代、右肩や右肘など計9度の手術を乗り越えたことでも知られる。過去の経験を生かして、今後はチームのトレーニング部門も担当したいと意気込む。挑戦は始まったばかり。館山コーチが育てた選手たちがどのように成長していくのかも楽しみでならない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「岩村さんが福島にかける思いに惹かれました」福島レッドホープス・館山昌平コーチの 「目指す道」とは