求人サイトを運営する各社が3月度のパート・アルバイトの時給動向を発表し、販売スタッフを中心に旺盛な人材需要が続いていることが分かった。

【前月は】2月のバイト時給、求人4社ともプラス 給付金やワクチン接種で事務系に需要増

■アイデムは東西日本ともにプラス

 7日、アイデムが2022年3月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比12円増の1,099円。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同15円増の1,124円だった。大分類の職種では7業種中6業種でプラス。

 特に事務職(東日本の平均時給:1,071円:前年同月比:44円増、以下同じ)、製造関連・ドライバー職(1,101円、40円増)で大きく伸びた。一方、専門・技術職(1,281円、48円減)、その他(1,091円、28円減)がマイナスだった。

 西日本エリアの平均時給は同66円増の1,091円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同93円増の1,052円だった。大分類ではその他(西日本の平均時給:1,067円:前年同月比:1円減、以下同じ)のみマイナス。プラスだった職種では、専門・技術職(1,414円、254円増)で大きく時給が伸びた。

マイナビは11カ月連続でプラス

 13日、マイナビが「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比35円増の1,142円となり、11カ月連続でプラスとなった。

 職種別で時給が上がったのは家電量販店が1,354円(前年同月比:173円増、以下同じ)、その他クリエイティブ・編集が1,344円(249円増)、編集・制作・構成が1,224円(99円増)、その他医療・介護・保育が1,151円(124円増)、保育士が1,427円(170円増)、薬剤師登録販売者が1,406円(248円増)、ワゴン販売・売り子が1,350円(230円増)、その他オフィスワークが1,380円(131円増)、搬入・搬出・会場設営が1,489円(375円増)、その他配送・引越・ドライバーが1,275円(291円増)、引越が1,176円(101円増)など。

 反対に時給が下がったのは、その他教育が1,104円(112円減)、営業が1,264円(448円減)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,354円(200円減)、サンプリング・PRが1,444円(111円減)、その他イベント・キャンペーンが1,097円(115円減)、看護師・准看護師が1,504円(132円減)、その他飲食フードが977円(101円減)、その他警備・清掃・ビル清掃が1,052円(99円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比22円増の977円、関東が同41円増の1,230円、甲信越・北陸が同36円増の1,060円、東海が同変わらずの1,088円、関西が同16円増の1,114円、中国・四国が同24円増の980円、九州・沖縄が同56円増の1,002円となり、東海以外の地域でプラスとなっている。

リクルートは18カ月ぶりとなる高水準の増加率

 14日、リクルートジョブズリサーチセンターが3月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比19円増の1,102円とプラスが続き、増加率の1.8%は20年9月(2.6%)以来となる高い水準。

 職種別で時給が上がったのは、化粧品販売が1,046円(前年同月比:49円増、以下同じ)、カラオケボックススタッフが1,081円(47円増)、ホテルスタッフが1,101円(44円増)、ホールスタッフが1,071円(48円増)、組立工が1,131円(49円増)、品質管理・検査が1,050円(43円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,118円(40円増)、一般事務が1,194円(43円増)、コールセンタースタッフが1,440円(79円増)、テレフォンアポインターが1,504円(161円増)、エステ・ネイル・マッサージが1,136円(58円増)、塾講師が1,484円(89円増)など。

 反対に時給が下がったのは販売・イベントスタッフが1,197円(20円減)、キャンペーンスタッフが1,277円(27円減)、製造・生産(重工業除く)が1,190円(28円減)、メカニック(修理・整備士)が1,125円(28円減)、美容師・理容師が1,075円(22円減)。

 地域別では首都圏が前年同月比9円増の1,147円、東海が同21円増の1,021円、関西が同25円増の1,081円となり、3地域ともにプラスだった。まん延防止等重点措置が延長されたものの、販売系やフード系を中心に継続的な採用活動が行われており、コロナ前と同程度の人材不足感があるという。

■ディップは求人件数が1.7倍に増加

 同日、ディップが3月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比52円増の1,207円となり、15カ月連続でプラス。またアルバイト・パートの求人件数は同1.7倍の約30万3,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは営業・企画営業が1,392円(前年同月比:87円増、以下同じ)、IT・クリエイティブ・クリエイターその他が1,492円(273円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,429円(250円増)、調査・モニターその他が1,348円(305円増)、職業の仕分け・検品・梱包が1,270円(241円増)、運送・ドライバー・配達が1,219円(129円増)、軽作業・物流その他が1,178円(113円増)、警備・車両誘導が1,347円(275円増)、建築系が1,812円(600円増)、建設・土木その他が1,571円(191円増)、製造系が1,386円(354円増)、技能系が1,402円(167円増)、工場・製造その他が1,297円(262円増)、試験監督・添削が1,840円(190円増)、教育その他が1,731円(171円増)など。

 反対に下がったのはイベントその他が1,183円(218円減)、イベント関連が1,512円(240円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,569円(793円減)、パチスロが1,340円(152円減)、教師・講師・インストラクターが1,597円(142円減)など。

 地域別では関東が前年同月比39円増の1,250円、東海が同66円増の1,163円、関西が同12円減の1,229円、九州が同144円増の1,127円となり、関西のみマイナスだった。

2月のバイト時給、求人4社とも引き続きプラス 販売職で人材需要続く