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重度の奇形で誕生し「長くは生きられないだろう」と言われたジャーマンシェパードの“ラーガ(Raga)” が、2度の手術を経て生後7か月に成長した。驚異の生命力をみせるラーガのストーリーを『IndyStar』などが伝えた。

米インディアナフィッシャーズの動物病院「VCA Advanced Veterinary Care Center」に昨秋、誕生後間もなく保護されたジャーマンシェパードのオスの“ラーガ”がやってきた。

ラーガは脚6本、睾丸4つ、結腸2つ、膀胱2つ、骨盤2つ、陰茎2つという稀な奇形で、陰茎や膀胱に細菌が溜まり感染症に罹る危険が高く、獣医は即座に抗生物質による治療を開始した。しかしあまりにも重度の奇形に、病院のスタッフの誰もが「生まれてきたことさえ奇跡的。きっと長くは生きられないだろう」と考えていた。

そんなラーガの世話を引き受けたのは同病院で技術部長を務めるジーナ・エリオットさん(Gina Elliott)で、「2夜もてばいいだろう」と最期をみとる覚悟で自宅に迎え入れた。

ところが自分が奇形であることなど全く認識していないラーガは、余命2日という推測を見事に裏切り、お尻から生えた2本の脚を引きずりながら病院中を走り回った。獣医はその生命力に感嘆し、次第にラーガの手術を真剣に考えるようになった。

こうして昨年12月、同病院のジェー・トビアス医師(Dr. Jae Tobias)とニコラス・ヴェキオ医師(Dr. Nicolas Vecchio)によりラーガの余分な2本の脚と骨盤を取り除く手術が行われた。

この手術は大成功で、さらに今年2月にはラーガの陰茎や膀胱、余分な結腸の大部分が摘出された。陰茎が2つある犬の手術は初めてというトビアス医師は「手術はチャレンジングだった」と振り返るも、ラーガはこの時も順調に回復、近いうちに腹部についている睾丸を取り除く予定だという。

ちなみに昨年秋からラーガのケアをしてきたジーナさんは、一時的な里親ではなく正式な飼い主としての登録を済ませたそうで、ラーガについてこのように語っている。

「実は4年前、私は愛犬のジャーマン・ワイアーヘアード・ポインターを16歳で亡くしました。ラーガの手術前は次の犬を飼う心の準備ができていなかったのですが、手術を通して私たちの間には強い絆が生まれたのです。私がジャーマンシェパードの飼い主になるなんて思いもしなかったこと…。でもラーガが私を必要としていたのですよ!」

画像は『The Mirror 2022年4月14日付「Extremely rare puppy born with six legs, four testicles & extra penis survives odds」(Image: Robert Scheer/IndyStar / USA TODAY NETWORK)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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