高速道路の中には、SAやPAはあるものの、ガソリンスタンドが併設されているところがきわめて少ない路線もあります。特に注意すべき区間をまとめました。

大幹線からもなくなっているガソリンスタンド

高速道路を利用していて、ガソリン残量に不安がある時に限って「なかなか給油ポイントが無い!」という事態に焦ったりするものです。ロードサービスのJAF(日本自動車連盟)の2020年度の統計でも、高速道路における出動理由の第2位に「燃料切れ」がランクインしています。

サービスエリアパーキングエリアの間隔は、ある程度基準があります。高速道路では、おおむねサービスエリアは50kmごと、パーキングエリアは15kmごととされています。

ただし、こちらはあくまで「SA/PA」の間隔。そこに必ずガソリンスタンドが併設されているわけではありません。地図上で「SA/PAがあるから大丈夫だろう」と考えていたら、走っても走っても給油ポイントが無い、という事態になる可能性があります。ガソリンスタンドも営利企業、どうしても利益が見込まれないところには営業されません。

東名や名神、中央道など、いわゆる「ドル箱路線」では、基本的にはサービスエリアごとに給油ポイントがしっかり設置されています。しかし、その感覚が当たり前になっていると、比較的ローカルな高速道路を利用した場合、戸惑うことになります。

中国道の岡山以西や前述の東北道など、かつては給油ポイントが設置されていたもの、撤退して、給油ポイントの間隔が大きくなってしまった区間も各地に存在します。

また、比較的新しくできた高速道路ではサービスエリアの機能が十分に備わっていないところが多く、「フラっと寄ってみたらガソリンスタンドが無かった」という場面に遭遇するケースもあります。

次の給油ポイントまでが長い区間TOP5

ここで、全国の高速道路で次の給油ポイントまでが長い区間のTOP5を紹介します。

【第1位】道東道 足寄IC~道東道 由仁PA 約175km
北海道千歳市と足寄市・釧路市むすぶ道東道は、全長250km以上の中でガソリンスタンド併設の施設が由仁PAしかありません。やはり北海道は広大な土地ではあるものの、高速道路の交通量が本州にくらべて少なく、それに伴いサービスエリアパーキングエリアの数も少なくなっています。

【第2位】舞鶴若狭道 西紀SA~北陸道 南条SA 約163km
本州にも、同様の路線があります。舞鶴若狭道には給油ポイントが西紀SAにしかなく、西紀SA~北陸道分岐まで小規模なパーキングエリアがいくつか設置されているのみとなっています。

【第3位】舞鶴若狭道 西紀SA~北陸道 賤ヶ岳SA 約156km
舞鶴若狭道の西紀SAから北陸道を金沢方面へいくルートでも、やはり次の給油ポイントまでが長い区間となります。山陰や中国道~北陸のショートカットにこのルートを利用する際は、とにかく要注意なエリアです。

【第4位】東北道 岩手山SA~青森道 青森東IC(下り線)約155km
かつて岩手山SAより先のSA/PAにも給油ポイントが存在しましたが、高速道路の交通量がさほど多くないため、採算がとれないことを理由に次々とガソリンスタンドが閉鎖してしまい、給油ポイントがない区間が長くなっています。

【第5位】磐越道 磐梯山SA~日本海東北道 荒川胎内IC 約153km
日本海東北道も要注意です。磐越道の磐梯山SA~日本海東北道の分岐までの100km以上の区間にも給油ポイントがないため、気が付くと途方に暮れる可能性があります。

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もし本当に燃料の残りがなく、次の給油ポイントまでもちそうにない時は、次のインターで降りて、最寄のガソリンスタンドで給油するしかありません。「もうダメだ!」となっては手遅れ、路肩に車を停めてレッカーを待つという最悪の事態にもなりかねないのです。

最近の高速道路は国が直接整備を進める路線も増えましたが、NEXCOの基準を採用しないため、SA/PAの設置間隔は先述の数字よりも長いことがあります。

ガソリンスタンドがないSA・PAも多い(画像:写真AC)。