FAカップ準決勝、チェルシーvsクリスタル・パレスが17日にウェンブリー・スタジアムで行われ、2-0で勝利したチェルシーが決勝進出を決めた。

マンチェスター・シティを破ったリバプールが待つファイナル進出を懸けたロンドンダービー

準々決勝で2部のミドルズブラを破り、3シーズン連続のベスト4進出を果たしたチェルシー。12日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)では敵地でレアル・マドリーに3-1で勝利して延長戦まで持ち込んだが、最終的に力尽き連覇の夢が潰えた。そのCL敗退ショックを払しょくしたいトゥヘル率いるチームは、週明けにアーセナルとのビッグロンドンダービーを控える中、パレス相手に決勝進出を目指した。

マドリー戦からは先発3人を変更し、チアゴ・シウバ、ロフタス=チーク、カンテに代えてアスピリクエタ、クリステンセン、ジョルジーニョを起用した。

一方、エバートンに4-0で快勝して2015-16シーズン以来の4強入りを決めたパレスリーグ戦では直近のレスター・シティ戦での敗戦によって無敗が5試合でストップしたものの、依然として好調を維持している。この大一番ではチェルシーからレンタル中のギャラガーが契約上の問題で起用不可となった他、GKをグアイタからバトランドに入れ替えた以外はベストメンバーを揃えた。

チェルシーが1-0で競り勝った前回対戦を彷彿とさせるクローズな展開で試合は進んでいく。戦前の予想通り、チェルシーがボールを握って押し込む状況を作り出すが、パレスのコンパクトな守備を前になかなかフィニッシュまで持ち込むことができない。

一方、堅守速攻を狙うパレスは守備が機能する一方、ザハやマテタ、エゼを背後のスペースにアタックさせるカウンターはチェルシーの守備陣にうまく対応され、こちらも決定機には至らない。

立ち上がりから睨み合いの状況が続いた試合は前半半ばにチェルシーアクシデントが発生。足を痛めたコバチッチプレー続行不可能となり、26分にロフタス=チークがスクランブル投入された。

その後は徐々に試合のテンポが上がり始めると、36分にはパレスに決定機。FKの二次攻撃からボックス中央でこぼれ球に反応したクヤテが強烈なボレーシュートを枠に飛ばすが、これはGKメンディの好守に阻まれた。

共に枠内シュート1本と守備の良さが攻撃を上回る拮抗した前半を経て試合は後半に突入。チェルシーは前半以上にボールの主導権を握って押し込むが、後半最初の決定機はパレス。61分、左CKの場面でエゼのクロスをゴール前で競り勝ったクヤテが頭で合わすが、これは惜しくも枠の左に外れた。

後半もなかなか決定機まで持ち込めないチェルシーだが、26歳の生え抜きMFが古巣相手に大仕事を果たす。65分、アスピリクエタが高い位置でミッチェルからボールを奪ってショートカウンターを発動。ジョルジーニョのグラウンダーパスをボックス右で収めたハヴァーツの折り返しがDFに当たってペナルティアーク付近にこぼれると、ロフタス=チークが右足の強烈なシュートをゴール右隅へ突き刺した。

これで追う展開となったパレスはすでに投入していたアイェウに続き、シュラップ、マッカーサーと中盤のバランサー2人を下げてベンテケオリーズと2人のアタッカーを同時投入した。

しかし、パレスが攻勢を強めようとした矢先にチェルシーが追加点を奪い切る。76分、リュディガーが出足鋭い対応でアイェウを潰してカウンターに持ち込むと、右サイドのハヴァーツから左サイドヴェルナーにボールが渡る。ここでヴェルナーとの細かいパス交換にマルコス・アロンソのランニングを絡め、ボックス中央に抜け出したマウントが相手GKのポジションを見極めてゴール右下隅へシュートを流し込んだ。

この2点目でファイナル進出を大きく手繰り寄せたチェルシーは週明けのアーセナル戦を睨んでハヴァーツ、マウント、ジョルジーニョ、クリステンセンと次々に主力を下げてルカクカンテ、ツィエク、チアゴ・シウバの投入で試合をクローズにかかる。

その後、試合終盤にかけては前がかるパレスを引っくり返してのカウンターからルカク、ツィエク、ヴェルナーとアタッカー陣に3点目を奪うチャンスが何度も訪れたが、ここは決定力と相手の好守に阻まれた。

それでも、パレスとのダービーを2-0で勝利したチェルシーが、EFLカップ決勝で敗れた因縁の相手が待つファイナル進出を決めた。

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