2022年5月31日(火)での活動終了を発表したアイドルグループ・ラストアイドル。4年間の活動を締めくくるフルアルバム『ラストアルバム』を4月27日(水)にリリースする。デビューシングル『バンドワゴン』から最新シングル『Break a leg!』まで、グループの歴史を網羅した今回のアルバムについて、また活動を振り返っての思いをメンバーの阿部菜々実、安田愛里、西村歩乃果、橋本桃呼、畑美紗起、篠原望に語ってもらった。

【写真】5月31日(火)での活動終了を発表したラストアイドルから最後のメッセージが届いた

■いい曲だからこそもっと早く欲しかったなって(阿部)

――『ラストアルバム』には、全員歌唱の新曲『僕たちは空を見る』も収録されています。どんな楽曲でしょうか。

【阿部菜々実】初めて聴いたときは、純粋にすごくいい曲だなって思いました。この曲が自分たちの集大成というのは、すごく綺麗な終わり方ができそうだなとも感じたんですけど、いい曲だからこそもっと早く欲しかったなって(笑)。

明るい曲で、みんなが笑顔で歌える曲だからこその寂しさも感じます。やっぱり活動終了に対して後悔や悔しさもあって。そんな気持ちを抱えたまま未来に向かって明るく一歩を踏み出していく私たちも表現されているのかなと思います。

【安田愛里】いい意味でさわやかでラストアイドルっぽくない曲だなって思いました。今までは地面に這いつくばって届けるみたいな、歯を食いしばる系の曲が多かったので、それと真逆だなって。

あと、これまでは歌詞に感情移入して歌っていたけど、今回はすごく気持ちよく歌えるなという印象もあります。自分のなかには今、前向きな気持ちしかないので最後の新曲が『僕たちは空を見る』でよかったです。

西村歩乃果】感動する曲だなというのが第一印象でした。ラストアイドルが活動終了することに対して前向きな歌詞というか、ラストアイドルが出した選択は間違ってないよ、前に進むために決断したんだよ、という曲。

私自身、どのタイミングでアイドルをやめるんだろうと思っていたので、逆にこのタイミングでラストアイドルが活動終了になって、最後にこういう前向きな曲をもらって「これでいいんだな」と再確認しました。もちろんすごく寂しいんですけど、自分的にはいいタイミングだったのかなという思いもあります。新しい人生に向かって歩き出すという曲だし、これからも頑張ろうね!という感じで背中を押してもらったような気持ちになりました。

【橋本桃呼】最初は爽やかでいい曲だなと思ったんですけど、夢に向かって歩き続けるというような歌詞なので、ラストアイドルに人生をかけてきた私としては今、その夢が無くなっちゃってどうしよう……と思っている状態。

だから、ちょっと寂しいというか、悲しい気持ちも持っています。いい曲なのに自分の心と歌詞がリンクできなくて、少しだけ複雑な心境です。

【畑美紗起】最初に聴いたときには、自分の好きなメロディーで超好み!って素直に思ったんですけど、歌詞をよく聴いてみると寂しい気持ちにもなってしまって。

「立ち止まったり、振り返ったりはしない」というような歌詞があるんですけど、今の私は立ち止まっちゃうし、振り返っちゃうところもあるんですよね。自信を持って、この曲を歌えるようになったらいいなと思っています。

【篠原望】私たちは活動終了になってしまいますけど『僕たちは空を見る』は、すごく未来を見ている曲です。

すごく素敵な曲なんですけど、自分たちの今を思うとちょっと寂しくなってしまうところもあって。個人的には両方の気持ちを受け止められる曲だなと思っています。

■きれいでかわいい私たちを届けられるのが嬉しい(安田)

――アルバムには『僕たちは空を見る』のミュージックビデオ(MV)も収録されています。歴代のシングルを振り返ったり、これまでの衣装が飾られたなかでのダンスシーンがあったりと、MVのなかにもラストアイドルの歴史が詰まっています。好きなシーンや撮影時のエピソードを教えてください。

【阿部菜々実】ロンドンバスに乗って、みんなが次々合流してくるところがあるんですけど、どんどん集まってくるメンバーを見て「ラストアイドルっていいな」って思いました。最後に、みんなでマネキンに歴代の衣装を着せて白いワンピースで踊るっていうのもストーリー性があるなと感じます。

あと、大サビの前にみんなで手をあげる振付があるんですけど、デビューシングルの『バンドワゴン』の転調するところとリンクしているんです。akane先生の振付なんですけど「あ、分かってるな」って嬉しくなりました。

【安田愛里】初めて疲れを感じなかったMV撮影でした(笑)。今までのMVは顔を気にする余裕がないくらいハードで、汗かいて当たり前みたいな感じだったから、こんなに「楽しい!」ばっかりの撮影は初めて。きれいでかわいい私たちを届けられるのが嬉しいです。

西村歩乃果】今回は、一人ひとりにリップシンクがあるんです。個人的に『好きで好きでしょうがない』(3rdシングル)のMVがすごく好きだったので、同じような内容なのも嬉しいし、一人ひとりの顔がはっきりと分かって、ラストアイドルの良さを改めて感じられるMVになっているなと思います。

歴代の衣装を並べて、それを全員で着せるのも少人数のグループだと出来ないけど、私たちは人数が多いからこそ出来る演出だし。最後にふさわしい素敵なMVになりました。

【橋本桃呼】ロンドンバスに乗って、みんなで窓の外を見るというシーンがあるんですけど、みんなそれぞれの道に行っちゃうんだなと思うと悲しくなっちゃいました。みんなと離れたくないなって思いながら撮影していました。

【畑美紗起】私もロンドンバスでの撮影が印象に残っています。全員が乗ったあとに、みんなで歌うシーンがあったんですけど、そのときにめっちゃ泣きそうになっちゃって。感極まってしまって大変でした。

【篠原望】みんなが衣装を並べたなか、白いワンピースで踊るシーンがあるんですけど、出来上がったものをひとりで見ていたら涙が出てきてしまって。撮影のときは、衣装のなかで踊るなんて素敵だなという感じで、みんなとも最後のMV撮影だしって気合を入れて挑んでいたので、あまり寂しさを感じなかったんですけど、改めて見ると「もうこの衣装を着ることはないんだな」とか急に悲しくなってきちゃったんですよね。みんなの笑顔が逆に寂しくて、すごく素敵なMVなんですけど今はちょっと寂しさが強いです。

■これ1枚持っていれば、ラストアイドルのことが全部分かる!(西村)

――『ラストアルバム』のポイントを改めて教えてください。

【阿部菜々実】ずっとラストアイドルでアルバムを出したいなと思っていたし、ファンの方からも出してほしいと言われていたので、最初で最後ですけど念願が叶ったアルバムにもなりました。

私たちの4年間が詰まっているだけじゃなく、新曲もいただくことができて、いろんなラストアイドルの良さが凝縮されている1枚です。これまで応援してくださったファンの方はもちろん、最後だからと手に取ってくださる方もいると思うので、「ラストアイドルってこんなに素敵なグループだったんだよ」というのを最後にしっかりとお見せできるものになったと思います。たくさんの方に聴いてほしいです。

【安田愛里】私は昔、KARAさんが好きでずっとファンだったんですけど、その好きだった時間や当時の気持ちって、いつになっても思い出せるんです。きっとラストアイドルのファンの皆さんも同じで、ラストアイドルの曲でいろんな気持ちを持ったり、つらいことを乗り越えてくださった経験があったりすると思うので、このアルバムを聴く度に、当時のことやラストアイドルのことを思い出してもらえたらいいなと思います。

一緒に過ごした時間はすごく濃い時間だったと思うので、それを形に残せるのも嬉しいです。私にとっては、すごく勇気をもらった楽曲が詰まっているアルバムなので、皆さんの心にも残ればいいなと思います。

西村歩乃果】これ1枚持っていれば、ラストアイドルのことが全部分かる!といっても過言ではないアルバムです。これまでラストアイドルに興味がなかった方、CDを買ったことがないよという方に、ぜひ手に取って聴いてもらいたいです。

【橋本桃呼】ラストアイドルとしての活動は5月31日(火)で終わってしまいますけど、このアルバムに入っている素敵な曲たちは残り続けていくと思うので、応援してくださったファンの方にはラストアイドルの活動が終わってもたくさん聴き続けてほしいです。私にとって、すごく大事なアルバムになりました。

【畑美紗起】ラストアイドルの歴史が詰まっているアルバムで、私にとっては一生の宝物です。新曲やMVなど、いろいろと楽しめる要素もあるのでファンの方にとっても大事な宝物になったらいいなと思います。

【篠原望】今までのシングルはもちろん、初回限定盤にはカップリングベストが収録になっているものもあるので、私たちの曲を改めてまた聴いてもらえる機会でもあるのかなと思います。ラストアイドルの活動が終了してからもずっと曲は残り続けますし、より多くの方に届けられたら嬉しいです。

■ここまで続けてこられたのはファンの方の支えがあったから(橋本)

――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

【阿部菜々実】ここまで活動を続けてこられたのは、ファンの方がいてくれたおかげ。だからこそファンの方には本当に幸せになってほしい、と心から思います。ラストアイドルの活動は終わってしまうけど、つらいときや笑顔になりたいときにラストアイドルの映像を見たり、曲を聴いたりしてもらえたら嬉しいです。何かまた感じてもらえるものがあったらいいなと思います。4年間、ありがとうございました!

【安田愛里】本当に4年間、あっという間でした。いろんな出来事があったけど、自分にとってマイナスだったことや無駄だったことは全くなくて、すごく成長できた時間でした。たった4年だけど4年という期間以上のものを学んで、経験したと思うので、応援してくださったファンの皆さん、スタッフさん、メンバーのみんなには感謝の気持ちでいっぱいです。活動が終わるまでまだ少しあるので、皆さんに恩返しができるように頑張ります。

西村歩乃果】ラストアイドルはバトルが多くて、ファンの皆さんにつらい思いをさせてしまうこともあったと思います。私自身、すごくツンツンしていた時期もあって「もう西村なんて応援しない」と思わせちゃったこともあったと思うんですけど、最後まで応援してくださったことには感謝しかありません。ラストアイドルが終わったあと、それぞれに活動する機会がもしあれば、また応援してくれたら嬉しいです。

【橋本桃呼】ラストアイドルに入ってから楽しいこともたくさんあったけど、つらいことも苦しいこともたくさん経験して。でも、ここまで続けてこられたのはファンの方の支えがあったから。ファンの方に「ラストアイドルを推していてよかった、出会えてよかった」と思ってもらえるように最後まで頑張ります。5月31日(火)以降も芸能活動を続けるメンバーもいると思うので、その応援も引き続きよろしくお願いします!

【畑美紗起】最近、メンバーの仲がもっともっと深まったというか、絆が強くなったなと思う機会が多かったので、正直すごく寂しいんですけど……。ダメですね、ずっと堪えてたのに涙が出ちゃう……。ラストアイドルに入れてすごく幸せだし、今後もラストアイドルだったということを宝物にして生きていきたいと思います。

【篠原望】自分のなかで、本当に5月31日(火)で終わってしまうのかなという思いが心のどこかにあって、まだまだみんなと一緒にいられるんじゃないかなと思ってしまうんですけど。最後の最後まで、ラストアイドルを応援してくださった皆さんに感謝を届けられるように過ごしたいです。

撮影=飯酒盃智明 取材=野木原晃一 文=yoshimi

4年間の活動を締めくくるフルアルバム『ラストアルバム』を4月27日(水)にリリースするラストアイドル