子役の新津ちせが主演する映画『凪の島』が、8月19日より公開されることが決定。併せて、島崎遥香、結木滉星、加藤ローサらが共演することが発表されたほか、本ビジュアルも解禁された。

【写真】『凪の島』に出演する、新津ちせ、島崎遥香、結木滉星らの場面写真

 本作は、山口県瀬戸内にある大自然豊かな島を舞台に、少年少女の心の成長や、子供たちの目を通して描かれる心温まる家族の姿を描く。監督は長澤雅彦で、脚本も長澤監督自身によるオリジナル。

 両親が離婚し、母の故郷である山口県瀬戸内にある小さな島へ移住することになった小学4年生の凪(新津)。母・真央と、祖母・佳子と一緒に、佳子が医師をしている島唯一の診療所で暮らしている。普段は明るく振る舞う凪だが、母へ暴力を振るうアルコール依存症の父・島尾の姿が目に焼き付き、心に傷を負い、時々過呼吸になって倒れてしまう。
 
 そんな凪を、事情をすべて知った上で何も言わず温かく受け入れてくれる島の住民たち。凪が通う小学校の同級生の雷太や健吾、担任教師の瑞樹、用務員の山村、漁師の浩平。彼らもまたそれぞれ悩みを抱えながらも前向きに生きていた。その悩みを知った凪もまた、彼らを支えようと奔走し、一歩ずつ笑顔を取り戻していく。だが、島での平穏な日々はそんなに長くは続かなかった。島に突然父がやって来て、再び家族に戻りたいと言い出す。その願いを聞いた凪は…。

 今回、新津の脇を固める豪華キャストが解禁。凪が通う小学校の担任教師・河野瑞樹役に、AKB48卒業後に女優として華々しく活躍する島崎遥香。その瑞樹に思いを寄せる漁師・守屋浩平役に、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』などで知られる結木滉星。さらに、凪の母・原田真央役に加藤ローサ、真央と離婚した凪の父・島尾純也役にチュートリアル徳井義実、小学校の用務員として子供たちを見守る山村徳男役に嶋田久作、凪の祖母・原田佳子役に木野花と、個性派俳優が集結した。

 劇伴音楽は、姉妹ピアノ連弾ボーカルユニット・Kitri(キトリ)が担当。主題歌も、Kitriが本作のために書き下ろした新曲「透明な」に決定している。

 本ビジュアルは、新津が、凛とした表情を見せる姿と、瀬戸内の海を見つめる姿を大きく配置したもの。横には「この島のキセキをずっと忘れない」というキャッチコピーが添えられている。

 映画『凪の島』は、8月19日より全国順次公開。

※キャストコメント全文は以下の通り

<キャスト・音楽担当Kitriコメント全文>

島崎遥香(教師・河野瑞樹役)

朝、起きたら海の音しかしない。コンビニやスーパーは車で片道20~30分。私にとっては非日常で、自然豊かな場所でゆったりと撮影しました。

私自身、埼玉県出身ですが、本作でも埼玉出身で、海の近くで仕事がしたいと山口で1クラス数名ほどの島で地元の方々と暮らす(瑞樹の)人生は少し挑戦的でかっこいい。そんな小さくはあるけど一人一人、大きく歩む人生の一部を皆さんに観て感じて頂けたらと思います。

■結木滉星(漁師・守屋浩平役)

今回演じた浩平は吃音をもっている漁師の好青年です。自分の考えや意思もしっかり持っていて逞しいなと感じたし、明るく生きる浩平から沢山元気を貰った気がします。

浩平という役を通して皆さんに幸せを掴む事、前向きに生きるエネルギーを感じ取って貰いたいと思っています。是非劇場でご覧いただきたいです。よろしくお願いします。

加藤ローサ(凪の母・原田真央役)

前回の映画出演は記憶に遠く、背筋が伸びる思いで現場に入りました。3回目の長澤監督作品という事や、夫役も馴染みの徳井義実さんでしたので、穏やかな気持ちで撮了できました。瀬戸内海を望むロケ地、宿泊地には本当に心から癒されました。心のデトックス効果があると思います。

私が演じた真央も、都会から島に出戻りする役どころで、心はズタボロの状態だったと思いますが、この地でデトックスしたに違いない!と思いました。凪は素敵なお友達、愛すべき島の方々に囲まれて幸せ者です。いい事ばかりじゃないけど、みんなで支え合って、しっかり生きてます。

凪の一夏の冒険を皆様もそっと見届けてやってください。きっと、すっきり心のデトックスされるはずです。私も、また島の人達に会いに映画館へ足を運ぶのが楽しみです。

徳井義実(チュートリアル)(凪の父・島尾純也役)

本当に美しく、優しく、温かい作品です。長澤監督には何作品かお世話になっていますが、今回は以前共演させていただいた加藤ローサさんともご一緒できて、非常に感慨深く、その時の作品「天国はまだ遠く」に出てきたセリフを思わせるシーンなんかも実は隠されていて、演じていても監督や加藤さんとの繋がりを感じることができて嬉しかったです。

長澤監督の作品は実に丁寧で、物語の温もりや人間の心の微妙な動き、それぞれの場面の情景が美しく描かれていて、エンドロールを観る頃にはじんわりと心が満たされます。この満たされる感じがなかなか言葉では表現できないので、是非ご覧いただいて感じていただければと思います。

■嶋田久作(凪の通う小学校の用務員・山村徳男役)

長澤監督とは「夜のピクニック」でご一緒させて頂いて以来です。木野花さんとも久しぶりの再会、心地よい緊張感の中でお芝居させて頂きました。頂いた役柄が無愛想な老人ということで時の流れを実感しています。側は老けましたが中身が練れていないので、役を全う出来ましたかどうか。

それは兎も角この映画、凪を演じられた新津ちせさんはじめ、すべての演者への、監督の暖かい眼差しが反映された優しさ溢れる作品です。是非映画館に足をお運び頂き、お目に留めて頂ければ幸いです。

■木野花(凪の祖母・原田佳子役)

瀬戸内海の海の力に圧倒されました。自然の懐に抱かれて傷を癒すとは、まさにこういう海をいうのだろうと、毎日撮影の合間に眺めては私自身が癒されていました。

これは、人生に傷を負い故郷の島に戻ってきた母親とその娘、凪の再生のお話です。凪が文字通り自然の懐に飛び込み、そして島の人々に見守られて成長してゆく姿を見て、私達が失ったもの、忘れていたもの、諦めていたことを思い出して頂けたら幸いです。

■Kitri(『凪の島』音楽・主題歌「透明な」提供)

今回、主題歌と劇伴音楽を担当させていただけることになり、大変光栄です。山口は私たちのゆかりの地でもあります。子どもの頃から、毎年山口の祖父母の家を訪ね、夏休みには海に行って自然豊かな景色に触れてきました。映画から感じ取る光景と、私たち自身の思い出がリンクするようで、特別な思いを持って制作しました。

主題歌「透明な」は、凪ちゃんや、大切な人に贈りたい手紙のような一曲です。映画『凪の島』が多くの方に広がることを願っています。

映画『凪の島』本ビジュアル (C)2022『凪の島』製作委員会