
子供の頃から漁業に携わって来たバリ島に住む90歳の老人だが、今は海で釣りをすることができなくなっているという。それは、年齢のせいではない。
海には大量の廃棄プラスチックゴミが溢れているからだ。老人は、ここ何年も1人で海に出て、プラスチックを海から回収しているという。
彼のストーリーは海洋プラスチック汚染問題についての認識を高めるために去年短編映画化され、注目を集めた。
【画像】 海に浮かぶプラスチックのゴミを片付け続ける90歳の漁師
Voice Above Water (trailer) - at the Ocean Film Festival World Tour 2021 AU
バリ島に住むワヤン・ニョさん(90歳)は、幼少期から何十年にもわたり漁師として暮らして来た。
しかし、今日ワヤンさんが海に出るのは、魚を捕るためではない。宝石のように美しい海には大量の廃棄されたプラスチックのゴミが浮かんでいるため、網とメッシュの袋を持って、ワヤンさんは毎日魚の代わりにそれらを回収するのだ。
かつて、海洋個体群が住んでいた美しい海は釣りには最適の場所だったが、今はゴミで溢れ、2050年までにはプラスチックで溢れると推定されている。
大量の獲物の代わりに、ワヤンさんは使い捨てプラスチックを収集し、岸に引き上げることに尽力している。
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そんなワヤンさんの活動が、プラスチック汚染問題への認識を高めるために1本の短編映画として伝えられることになった。
ワヤンさんの活動が短編映画に
アメリカのサンフランシスコを拠点とする映画監督ダナ・フランクフさん初の映画は、バリ島で90歳の老人が海のプラスチック廃棄物を毎日回収するドキュメンタリー作品となった。
ダナは、海岸沿いの家に住むワヤンさんのもとを訪れ、様々なプラスチックやその他のゴミを懸命に拾い続け、リサイクルするワヤンさんに焦点を当てた。
この映画からは、1人の人間が環境を守るために違いを生み出す様子が垣間見えます。
もし、全員がワヤンさんになって、1人1人自分の役割を果たすことができれば、更に何か大きなことを達成できるかもしれないと思えるようなインスピレーションを与える作品であることを願っています。(ダナさん)
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2021年に公開されたこの映画は注目を集め、複数の賞を受賞した。
written by Scarlet / edited by parumo

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