株式会社 学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社 学研プラス(東京・品川/代表取締役社長兼COO:南條達也)は、2022年6月23日(木)に発売する『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版 DVDつき』の制作過程で新種を数種発見。その新種のうち、カワゲラの新種を「ガッケンホソカワゲラ」と命名し、世界で初めて図鑑に収録しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003951.000002535.html

「ガッケンホソカワゲラ」 撮影:中峰空

『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版 DVDつき』は6月23日に全国の書店、ネット書店で発売される図鑑。本書の大きな特徴は約2700種以上もの昆虫がすべて生きた状態で撮りおろしされていることで、4月14日に予約を開始してから早くも話題となっています。

生きた昆虫の撮影を進める中でいくつもの新種が発見され、中でも発見されたカワゲラ目ホソカワゲラ科の一種を、「学研」にちなみ「ガッケンホソカワゲラ」と命名しました。

今回の新種発見に至った経緯や、図鑑に新種を掲載することになった喜びなどを、担当編集者の牧野嘉文氏と、実際に採集を行った中峰空氏(大阪・箕面公園昆虫館館長)に語ってもらいました。

――新種発見の経緯をお聞かせください。
中峰 僕は今回、カワゲラを担当させてもらっていたので、『昆虫 新版』に掲載するためにカワゲラの仲間を京都の鞍馬川で採っていたんです。いろいろな論文を読んでみると、日本にはホソカワゲラの仲間がたくさんいるけれど、名前が付いていない、いわゆる「未記載種」も多いらしいので、そうしたカワゲラが採れたらと思っていました。すると、採集したカワゲラの中に2個体、今までに見たことがなく、論文や図鑑にも載っていないものが見つかりました。

――新種の決め手となったものはなんですか?
中峰 簡単に言えば、オスの交尾器の形、腹端の構造が今まで知られていたものとは違いました。昆虫の新種は、交尾器の形の違いを特徴として記載されることが多いんですよ。交尾器が違えば、それは同じ種のメスとしか交尾できないということなので、新種と判断するポイントとなるわけです。発見後、牧野さんに「新種っぽいのがいました」とお伝えしました。
牧野 お話をいただいたときは嬉しかったですね。そもそも昆虫図鑑では名前のわからない種を載せることが多く、「○○の一種」という表記の仕方もするのですが、今回のように新種発見から名前を付けていく行程まで目の当たりにできたのは、いい経験になりました。
中峰 やっぱり新種を発見するって、夢がありますよね。新種として記載するまでの作業は地味でしんどいですけれど、子どもたちにもロマンを感じてもらえるので、僕も新しい図鑑のために頑張りました(笑)。

――今回のように新種が発見されると、どのように発表していくのですか?
中峰 まずは査読(※その学問分野の専門家が論文内容の査定を行うこと)付きの雑誌に記載論文を書くというのが通常の流れです。海外の方も読めるように、英語の出版物で発表するのが一般的ですね。今回の新種は学研にちなみ、「ガッケンホソカワゲラ」という名前にしました。学名は「Perlomyia gakken(ペルロミュイア ガッケン)」となります。
牧野 僕としては大変ありがたいなと思いましたが、会社名が付くということで、社内の関係部署にも確認しました。カワゲラは綺麗な川にしか生息していない昆虫ですし、清らかなイメージもあったので、企業的にも大変ありがたいお話だとご理解いただけました。

●「ガッケンホソカワゲラ」記載論文はこちら
https://www.jstage.jst.go.jp/article/specdiv/27/1/27_SD21-17/_article
Nakamine, H. 2022. A New Species of Perlomyia (Insecta: Plecoptera: Leuctridae) from Japan. Species Diversity, 27 (1): 91–94.

――新種を新たな図鑑に掲載できることについては、どう感じていますか?
中峰 昆虫が好きな子どもたちは、とにかく図鑑を読みまくるんですよね。でも掲載されている写真が色あせていたり、乾いて色が変わった標本だったりすると、あまり美しくない。そういう意味では、写真がすごく綺麗な『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』は、子どもたちに喜んでもらえる図鑑だと思います。そこに新種を載せられるというのは嬉しいことですし、そのために頑張ったと言ってもいいですね。
牧野 『昆虫 新版』では全種、乾燥した標本ではなく生きた虫を掲載し、それぞれの特徴がよくわかる角度で撮っています。そこがこれまでの図鑑と違うところとして、伝えていきたいですね。また今回の新種発見によって、昆虫自体に新しく名前が付けられることを子どもたちにも実感してもらいたいです。そして、まだ名前のない昆虫はたくさんいて、研究すればいつか自分でも名前を付けられるという可能性を知ってもらえたらいいなと思います。
図鑑は世間に定着しているものを厳選して紹介することが使命であり、今回の『昆虫 新版』でも2700種以上の昆虫を掲載しています。その一方で、これまで図鑑に載っていなかったけれど確実に生息しているものもたくさん入れたかったので、それが今回の新種「ガッケンホソカワゲラ」の掲載に繋がったのかなと思います。

「ガッケンホソカワゲラ」掲載ページ見本(発刊前の紙面につき内容は変更する可能性があります。)

――改めて『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』の注目ポイントをお聞かせください。
中峰 僕が担当させてもらったのはマイナーというか地味な虫ばかりなので(笑)、今までの図鑑だと半ページくらいしか載っていないものが多いんです。それが今回は見開きで、綺麗な写真で載っているので、個人的にはじっくり見てほしいところですね。そして、1000人に一人くらい「この虫なに?」と興味を持ってくれる子どもがいたら嬉しいなと思います。
牧野 カワゲラがまさにそうですよね。今までそれほど多く紹介されることがなかったけれど、たくさんの種類がいると気づいてもらえるきっかけになるのではと。その役割を、今回の図鑑が果たしてくれるんじゃないかなと思います。『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』では、すべての昆虫を白バックで掲載しているので形がわかりやすく、名前も調べやすくなっています。自然に生息している姿とまったく同じ状態で見られるので、この図鑑を参考に、ぜひ外に出かけて昆虫を探してほしいなと思います。

『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版 DVDつき』
総監修:丸山 宗利(九州大学総合研究博物館 准教授)
価格:2,420円 (本体2,200円+税10%)
発売日:2022年6月23日(木)
判型:A4変型判/ハードカバー
ISBN:978-4-05-205176-0
学研出版サイト: https://hon.gakken.jp/book/1020517600
学研の図鑑LIVE公式サイト:https://zukan.gakken.jp/live/


【ご予約はこちら】
・Amazon  https://www.amazon.co.jp/dp/4052051769/
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ほか、全国の書店、各ネット書店にて予約受付中。

※『学研の図鑑LIVE 恐竜 新版 DVDつき』『学研の図鑑LIVE 危険生物 新版 DVDつき』も同時発売

『学研の図鑑LIVE 恐竜 新版 DVDつき』
総監修:真鍋 真(国立科学博物館 副館長)
価格:2,420円 (本体2,200円+税10%)
発売日:2022年6月23日(木)
判型:A4変型判/ハードカバー
ISBN: 978-4-05-205184-5
発行所:(株)学研プラス
学研出版サイト:https://hon.gakken.jp/book/1020518400


『学研の図鑑LIVE 危険生物 新版 DVDつき』
総監修:今泉 忠明(動物科学研究所所長)
価格:2,420円 (本体2,200円+税10%)
発売日:2022年6月23日(木)
判型:A4変型判/ハードカバー
ISBN:978-4-05-205178-4
発行所:(株)学研プラス
学研出版サイト: https://hon.gakken.jp/book/1020517800

配信元企業:株式会社 学研ホールディングス

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