JR渋谷駅埼京線ホームは、かつて山手線ホームから南側の離れた位置にありました。その旧ホームの解体作業が始まっていますが、「新南口」も含めて、将来どうなっていくのでしょうか。

屋根が無くなったホーム

JR渋谷駅埼京線ホームは、かつて山手線ホームから南に離れた位置にありました。このホームを通ってたどり着く駅最南端の「新南口」は、銀座線京王線、東急の駅からも遠く、「南渋谷駅」と揶揄されることも。その埼京線ホームも、2020年6月に山手線ホームと並行した現在の位置へ移動し、はや2年が経過しようとしています。

その旧埼京線ホームは閉鎖されつつもその姿をとどめていましたが、いよいよ屋根など施設の解体が始まっています。一方で現在、新南口の橋上駅舎から、線路西側へ跨線橋が工事中。通路がすでに姿を現しています。今後旧ホームや新南口はどうなっていくのでしょうか。

2022年4月現在、新南口の橋上駅舎から南側、列車3両分ほどの長さで、屋根が撤去済み。ベンチなども残っておらず、支柱の根元以外は更地の状態です。

JR東日本によると、屋根の撤去は2021年10月から進めているとのこと。撤去は新南口に通じる階段より南側の立ち入り禁止エリアから始まり、ホーム施設も撤去予定とのことです。なお、ホームを撤去した後のスペースの活用法についてはまだ決まっていません。

新南口の最終形態は?

渋谷区の「渋谷中心地区基盤整備方針」では、国道246号首都高渋谷線)の南側、JR線西側で事業中の「渋谷駅桜丘口地区」に2か所の東西自由通路の計画があります。ひとつは首都高から50mほど南、渋谷ストリーム北側の「南口」、もうひとつは地区最南端、くさび状のビルの先端近くにつながる新南口付近です。

南口の橋上駅舎も渋谷ストリーム側から徐々に伸びています。新南口の自由通路も先述のとおり、桜丘口のビルにつながるべく、徐々に姿を現しています。

「新南改札の機能は、南口橋上駅舎に移転する計画です。あわせて、南口から新南口への通路を別途整備します」。JR東日本はこう話します。いまの新南口までの「長い通路」は将来的に閉鎖され、代替となる通路が駅構外の空間として建設されるということです。

それまで旧ホーム部分は暫定の通路として使われますが、JR東日本4月21日に、この通路の空きスペースの活用計画を発表。「Slow Platform 渋谷駅0番線」プロジェクトの第一弾として、モス(苔)を栽培する「モスプラットフォーム」、ホーム上フェンスなどに植物アートを描いていく「スローキャンバス」などの取り組みを進めていくと発表しました。

「遠かった埼京線ホーム」の思い出に浸るヒマもなく、渋谷駅周辺の風景はいまだ猛スピードで変化し続けています。

※一部修正しました(4月22日19時45分)。

屋根が一部撤去された渋谷駅の旧埼京線ホーム(乗りものニュース編集部撮影)。