みなさんこんにちは、野球大好き山本萩子です。

プロ野球も開幕からひと月が経ち、チームごとに成績の明暗が分かれてきました。まだ序盤ですから、応援するチームの成績が振るわないからといって下を向いている方はいないと思いますが、勝敗には一喜一憂してしまいますよね。

開幕当初、話題になったのは阪神タイガースの開幕9連敗。シーズン序盤なので悲観する必要はないのですが、やはり連敗は気分が落ち込みます。

開幕9連敗はプロ野球記録だそうですが、それまで記録を持っていたのが我がヤクルトスワローズで、1979年に開幕8連敗を喫しています。

今回は、これまでにいくつもの連敗記録を残しているヤクルトのファンを代表して、応援するチーム連敗時の過ごし方をご紹介させていただきます。

ヤクルトは今季開幕3連勝を飾ったものの、その後4連敗。浮かれているとあっという間に足元をすくわれる......。兜の緒を締めると同時に、2019年5月14日から6月1日にかけて16連敗という大記録を残していたことを思い出しました

連敗。

それはラブストーリーよりも突然に訪れます。連敗が始まると、なぜかアンラッキーなシーンをよく目にするようになります。打ち取ったはずの当たりがヒットになったり、相手の打球がファウルにならなかったり。ため息をつきたくなるシーンがデジャブか?というくらい連発します。

そうなるとフラグが立ちます。あれ? これはおかしいぞ、と。大型連敗の予感はたいてい的中するものです。そうなると、これまでの悪い予感が次々と伏線として回収されて行きます。

主砲3人がアーチを放っても勝てない、エースが投げても勝てない、6点取っても11点取られる、3点におさえても打線が沈黙する......。試合終盤までリードしていても、勝っている気がしません。

でも、安心して下さい。最初はお通夜みたいな気持ちだったのに、6連敗あたりから慣れてきます。同時に、心の中にポジティブ萩子が登場します。

まずは連敗の中に「負けのグラデーション」を作りましょう。負けた試合はさっぱり諦めて、「勝ちに等しい負け」という新しい基準を作ってください。

「期待の若手が相手エースから打ったら、もうこれは勝ちに等しい負けである」
「エースが6回無失点。これは勝ちに等しい負けである」

このように使います。他に例を挙げると。

4番が打った
若手が攻守に活躍した
タッチアップを矢のような送球で阻止した
追加点を許さないファインプレーが出た
出番がないドラ1が2回を無失点に抑えた
3盗を決めた
相手の主砲から会心のボールで三振を奪った
リクエストが通った

などなど。試合の中にポジティブな要素を探して楽しみましょう。

山本キャスターと愛猫のバレンティン
山本キャスターと愛猫のバレンティン

連敗中の試合観戦もなかなかいいものです。自分が球場へ行ったから今日こそ勝つんじゃないか?と勝手にワクワクしたり。

ちなみに、連敗中に雨の中で10点ビハインドの試合を見たことがありますが、相手の攻撃が長くトイレに行くのも楽でしたし、混んでいなくてよかったです。一緒に観戦していた母と飲んだビールは半額に値下げされていました。凍えるほど寒かったけど、そういう試合ほど記憶に残るもの。

そして、連敗のトンネルを抜けたあとは、1勝の重さをしみじみと感じることができます。連敗は私たちに1勝がいかに重たいものかを教えてくれるのです。まさに一勝一会。連敗はチームの成長痛なのかも。

ちなみに、番組でご一緒している黒木知宏さんにお聞きしたところ、先発投手は連敗中の方が気が楽なんだとか。自分が連敗を止めてやるという気持ちもあって、非常にやりやすいそうです。ということは、連敗中は記録に残る素晴らしいピッチングが見られるのかもしれません。

応援するチームが連敗中のときこそ、球場に足を運んではいかがでしょうか。

それではまた!

★山本萩子(やまもとしゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年より『ワースポ×MLB』(NHK BS1)のキャスターを務める。愛猫の名前はバレンティン

構成/キン マサタカ 撮影/栗山秀作

【画像】山本キャスターと愛猫のバレンティン

「連敗」の心構えについて語った山本キャスター