あきばお~

オタクの聖地・秋葉原で今、とある横断幕が話題を呼んでいる。そこには「コノ店ヤバイ」というなかなか攻撃的でインパクト強めな文字が…。実態を探るべく現地に飛んだ。

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■遠くからも目立つシンプルデザイン

あきばお~

この横断幕が張られているのは、メインストリートから一本裏手にある通称“パーツ通り”沿いの少々年季の入ったビル。

アキバエリアには萌え系イラストなどを多用した看板が多いため、太字のゴシック体かつ赤字でデカデカと張られたメッセージは、少々異様にも見え、遠くからでもよく目立つ。

矢印の方向にはパソコン、スマホ関連のグッズを揃える「あきばお~」禄號(ろくごう)店の看板。このフロアにある店の宣伝なのか、はたまた「あきばお~」を口撃する上下階のテナント同士の“軋轢”なのか。謎は深まるばかりだった。


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■手前ビルが更地になり…

じつはこの横断幕にアキバ通たちが気がついたのは最近のことである。

秋葉原では新型コロナウイルス流行以降、1年以上テナントが入らない空きビルが次々に増殖してゆき、一部ビルでは老朽化したビルの建て替え工事も開始されている。

ソフマップパソコン総合館」やコミックショップ「とらのあなC」が入居していた中央通り沿いの7階建てビル「東京角田ビル」もその一つ。昨夏解体工事が開始され約60年の歴史を終えたのだが、建物がなくなったことでパーツ通り沿いのビル群が中央通りからも見通せるように。そして、今回の横断幕に注目が集まったのだ。

■関係者を直撃すると…

あきばお~

ポジティブかネガティブなのか、メッセージの真意はまだ不明だが、とりあえず「ヤバイ」といじられてしまった「あきばお~」経営元であるハーマンズ社を直撃するとすべての真相が明らかになった。

例のビルで入居テナント同士のトラブルが起きていないか問い合わせると、「あれは弊社で仕掛けたものです。本ビルは弊社の所有建物になります」という回答が。あ、やっぱそうですよね…。

「当店は狭い路地裏にある店舗なので、360度どこからみても当店が目立つよう宣伝したい一念です。文言は所属店の店長の案を軸に決定しましたが、視界の開けた中央通りから発見したら、思わず二度見しちゃうくらいのインパクトは必要と思い設置しました」(ハーマンズ担当者)。


■「少しでも楽しむ要素を」

あきばお~

「他のお店が思いつかないことを考え、すぐにでも実行できるのが弊社の強みだと思います」と続ける担当者に、「では、あきばお~禄號店のヤバさはどこにあるか」と追加質問をぶつける。

すると「こんな文言を堂々と張り出す店長が一番ヤバいのではないでしょうか(苦笑)。でも目を引くのは確かですね。コロナ禍で鬱屈した世の中ですが、秋葉原を訪れたお客様方に少しでも、楽しむ要素を提供したいと常々考えております。実際のところ、SDカードや中古PC商品の安さは全国的にみてもかなりヤバイ安さではないでしょうか。自信あります」という頼もしい答えが返ってきたのだった。

秋葉原では、ジョークを効かせたライバル店への「裏メッセージ入り店頭幕」や、あえて誤字脱字を入れ込んだ「間違いだらけの看板」、ヨドバシカメラマルチメディアakibaの大喜利のようなPOPなど、思わずクスッと笑えるウィットに富んだ宣伝方法がたびたび登場し話題を呼ぶ。

そこには“笑いのわかる”発信者たちが集まる地であることが背景にはあるだろう。今回の件を通し、記者は懐の浅さを痛感しつつ次なる取材対象を探すのであった。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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