ツイッターなどネットで呼びかけられている「#すき家ストライキ」の期日が、明日5月29日に迫っている。すき家アルバイト店員たちが「肉(29)の日」に合わせて、一斉欠勤のストライキを起こそうとネットで呼びかけている運動だ。

しかし、ゼンショーの非正規社員で構成される「ゼンショーユニオン」が27日、「5月29日、違法なストはやめましょう!」というタイトルでホームページを更新し、ストライキの中止を呼びかけている。

「組合を介さずストを実行すれば威力業務妨害となる可能性もあります。抗議する内容に正当性があっても、抗議の手段を間違えれば本末転倒な結果を導くことになります。どうか、考え直して下さい」
「主導者がいないスト」をどう取り締まるのか

ストライキは憲法28条の「団体行動権」によって認められているものであり、団体(組合)に加入しない人のストライキは「山猫スト」と呼ばれ、正規の争議行為として認められず、損害賠償を請求される場合もある。

ゼンショーユニオンはこの危険性を呼びかけ、組合として動くべきであると「#すき家ストライキ」の人々にこうアピールしている。

「正当なストを断行したいのなら、私共FPTに加入し、事業所(店舗)の過半数のスト賛同を得られれば、ストを合法的に実行することが可能となります」
「会社に不満があるなら組合が正式な手段で解決を申し入れますし、それで会社から誠意ある回答が得られないのであれば、改めてストや法廷闘争も視野に入れた抗議を合法的にしましょう!」

ウェブサイトによると、ゼンショーユニオン5月27日にも会社と団体交渉を行ったようだが、28日夕方までには確認が取れなかった。

ただ、ツイッター上には、ゲリラ的な「#すき家ストライキ」は、一人ひとりのアルバイトが自主的に休むことなので、主導者がいるような「違法な威力業務妨害」であると証明する方法はないのではという声もある。

「仕事を休むことは威力ではないから、たとえそれで業務が滞っても威力業務妨害にはならない」
「あした有休取ることのどこが違法で、あまつさえ威力業務妨害で検挙の対象になるのか」

ただ、「組織化できなきゃ、負けは見える」「社会的合理性を持たないストやデモは、けっきょくは大きな行動にならないので企業は無視できる」といった冷静な意見もある。果たして明日29日、「#すき家ストライキ」は行われるのだろうか。

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ゼンショーユニオンのページ