4月24日オリックスロッテ戦で、佐々木朗希投手に対して球審の白井一行審判員が詰め寄った行動について、SNSを中心に熱い論争が続いている。

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 問題の場面。佐々木が判定に不満そうな態度をとり、感情的になった白井球審がマウンドに近づき、ロッテ捕手の松川に制止された…ように見える。

 白井審判員は試合後からノーコメント。佐々木朗は2軍落ちした。疲労が再調整の理由と報じられたが、過熱する騒動によるストレス、精神面の負担を考慮した井口監督が、20歳を守ろうとしたのだろう。

 当事者同士から説明のコメントがないことには、真実は闇の中。チーム関係者やプロOB、識者がいくら意見したところで水かけ論になる。SNSではああでもない、こうでもない、誰が悪い、などとヒートアップしている様相だ。

 今回の問題点はいくつかあるが、ファンをないがしろにしているのは明らかだ。プロ野球の審判は、所属する日本野球機構NPB)から給料が支払われている。NPBの原資は、野球ファンからの収入。最大のお客様であるファンへの説明責任がなされていない。

 たとえば、試合で審判が何らかの理由でプレーを止めた時、場内説明がないまま、試合を再開するときが多い。観戦者には何が起こったかわからない。マイクを手にアナウンスする審判も見受けられるが、個人の判断で、組織として徹底されてはいない。ファンを置き去りにする典型例だ。


 今春のセンバツ高校野球(甲子園)では「誤審を認めて謝罪」する前代未聞のシーンがあった。3月20日の広陵―敦賀気比戦で、フェアの打球を二塁塁審がファウルとジャスチャーし、それを見た一塁走者が制止して併殺となった。審判団が協議し、尾崎球審が場内マイクで「私たちの間違い。止めたランナーを二塁に進めて再開します。大変申し訳ございません」と謝り、試合を再開させた。賛否はともかく、観戦していたファンに納得してもらえるよう謝罪と説明責任を果たした。

 審判も人間。感情もミスもある。大事なことは、ミスした後の対応をどうするか。佐々木朗の一連の問題は、審判の行動そのものより、対応のまずさが騒動の泥沼化を招いている。もし試合後になんらかの説明があったら、事態は長期化せず、ゴールデンウイーク期間に多くのファンが楽しみにしていた佐々木朗の投球が見られたかもしれないのに…。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


審判に誰が金を払うかわかっているのか? ファンを置き去りにしている佐々木朗希「恫喝」騒動