盗撮犯・ローアングラー

4月30日、千葉・幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議」内で女子高校生コスプレイヤーローアングルでの盗撮行為を行っていた30代後半の男が千葉県警に逮捕された。

男は29日に同会場内でビデオカメラを使った盗撮に及んでおり、直後、騒動を撮影したsirabee記者が会場内の警察官に相談。逃走していた男の特徴などについて、情報提供した上で捜査に協力していた。

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■会場で着替え「追跡」をかく乱

男は29日午後、仲間と結託してキャラクターの衣装に身を包んだ被害者を取り囲み、スカートの中を狙って動画撮影。被害者には「静止画を撮る」と伝えていたものの、実際には仲間が撮影している間に被害者の後ろに回り込み、下着を狙う撮影を行っていた。

翌30日、再び会場に姿を現した男をイベント主催側スタッフが発見し追跡。現場で別件取材中だった記者も合流し、男が前日の盗撮犯と同一人物である確認が取れたため会場入りしていた警察官が職務質問

撮影データを確認したところ、下着を狙うアングルの動画が複数残っており千葉西警察署に連行された。男は捜査の手を逃れるためかカメラバッグや帽子などの所持品を前日から一変させていた上で、会場入り後も多目的トイレ着替えをするなどしていたが、イベント警備スタッフと警察の目はごまかせなかった。その後、男は過去に複数回盗撮で騒動を起こしてきたことが明らかになり、容疑を認め反省の弁を述べているという。


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■過去にも騒動

ローアングラー

逮捕された30代後半の男は過去にも会場内で複数の動画盗撮カメラマン、通称“ローアングラー”らと連携する姿を見せており、数人のグループで撮影した動画をネットアップ、販売していた可能性もある。

写真は今回逮捕された盗撮犯の仲間と見られる男。女子高生コスプレイヤーの撮影待機列に並び、被写体が“体育座り”になった瞬間に毎回ローアングルビデオカメラを構えており、10数分間に複数回同じ行動を繰り返していた。前に立つ一般参加者の陰に隠れるよう身を置いていおり明らかに異様だ。この列には逮捕された男のほか、盗撮していたと思われる仲間が2名確認できた。

被害を受けた女子高生は「初めての大型イベント参加で楽しみにしていたが、こんな怖い体験をするとは予想していなかった。もう二度と繰り返してほしくない」と訴える。

■犯人を確保しづらい背景

警察

カメラ所持が当然のコスプレ会場では、駅や書店などと違って盗撮行為に気づきにくい。ローアングラーたちは摘発を避けるため液晶モニターを本人以外確認できないよう“盗撮用”に加工しており、映像が録画されているかどうかという点も第三者は判断しづらい。

また被写体と撮影者が合意の上で卑猥な撮影をしているケースがゼロとは言い切れないため、コスプレイヤー側からの訴えがない場合はまず本人に「撮影許可あったか」「捕まえるべきか」など状況をヒアリングし盗撮犯を確保する必要がある。

今回のケースでは、その間にカメラを回していた盗撮犯は逃走。数千人の人混みに消えた男を当日中に発見することは難しかった。


■別イベントでも盗撮事件

過去にはイベント関係者が急行する前に全速力で逃げ出す盗撮犯や、指摘した記者を激しい口調で恫喝するローアングラーグループも存在。第一優先は現地の警備スタッフを呼ぶことだが、警察は「トラブルが起きたら会場内でも110番をして欲しい」とも話す。

近年急増する盗撮騒動。30日に神戸で行われていた別のコスプレイベントでも盗撮犯が逮捕されている。レースクイーンコンパニオンが登場する展示会系イベントと違い、コスプレ会場は被写体が一般人な上、男性マネージャーなど彼女たちを護衛できる関係者がいない。運営側、警察はトラブル防止のため尽力している一方で、コスプレイヤー側もさらに警戒を強める必要がありそうだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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