学生時代に知り合った友人は一生の宝になると言われる。アメリカで女子中学生時代に親友だった2人は成人してからも連絡を取り続けていたが、一方が男性に性別移行した後に恋人の関係に発展し、結婚して夫婦になったという。『New York Post』『WalesOnline』などが伝えている。

テネシー州在住のアーロン・ケイプナーさん(Aaron Capener、25)と妻ケイラさん(Kayla、26)の結婚までの馴れ初めが、多くの関心を集めている。アーロンさんは顔にひげを蓄えて男性らしい姿をしているが、生物学的には女性として生を受けていた。

アーロンさんがまだ女性として過ごしていた14歳の頃、家族と一緒にオレゴン州からテネシー州キングスポートに引っ越しており、ケイラさんとはその時に出会ったという。2人はすぐに意気投合し親友になったが、当時のアーロンさんはケイラさんに淡い恋愛感情を抱いたことに気づいていた。

しかしアーロンさんはケイラさんが自分から去ってしまうことを恐れ、あえて自分の気持ちを口にしなかったそうだ。その後アーロンさんは、ケイラさんと出会った半年後に家庭の事情でオレゴン州に戻らなければならなくなった。2人は2200マイル(3540キロ)も離れた場所に住むことになったが、SNSや電話で連絡を取り合っていた。

成長するにつれて自分が同性愛者だと感じたアーロンさんは意を決して家族に打ち明けたが、厳格なキリスト教徒である両親は我が子の告白を受け入れてくれなかったそうだ。その後、アーロンさんは「自分はトランスジェンダーで男性である」と強く感じるようになり、男性として生きる決心をした。

アーロンさんは家族と徐々に距離を置き、16歳になると家を出てアルバイトに励むようになったが、その間もケイラさんとは連絡を取り続けていたという。そして20歳になったアーロンさんは再びテネシー州に引っ越し、ケイラさんと再会することになった。2人は親友として時々会っていたが、一緒に過ごすうちに親友以上の別の感情があることにお互いが気づいた。

しばらく経ったある日のこと、アーロンさんは思い切ってケイラさんに自分の想いを伝えてキスをした。幸いなことにケイラさんもアーロンさんに恋心を抱いていたという。ケイラさんは当時の気持ちをこのように語っている。

アーロンがオレゴン州にいる間、男性へと変わるまでに何をして来たかを私は常に見守ってきました。私たちが再び会えた時に、アーロンは最大級の抱擁をしてくれたんです。もう2人で涙を流していました。親友だった私たちの関係が恋人に発展したのは、とても自然なことだと思いました。」

その後、交際を続けてきた2人は、2021年にめでたく結婚した。式には中学生時代の友人も2人の結婚を応援するために駆けつけてくれたそうだ。アーロンさんはメディアのインタビューに応じ、ケイラさんとの結婚についてこう述べている。

「どんな性別であろうと関係なく、私を愛してくれたケイラを妻に迎えられるなんて本当に信じられないほど恵まれていると感じました。勇気を出して彼女にキスをした時、あんなに幸せな気持ちになったのは初めてでした。」

「私は彼女に出会った時から想いを寄せていて、こうして妻として迎えられたことが夢のようです。無償の愛とは見返りを求めない愛のことを意味します。そして彼女の私への愛がまさにそれなのです。」

現在のアーロンさんはソーシャルメディアで自らの経験を語るとともに、自身のメディア事業を利用してLGBTQをサポートする団体と協力し、トランスジェンダーの人たちが心を開くことができるように支援しているという。

画像は『New York Post 2022年5月3日付「BFFs who met as teens get married after one transitions to male: ‘It felt really natural’」(Aaron Capener / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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