アフリカに住むナイルワニは全長4メートルを超える巨大種だ。だがその巨大なワニの巣の間近にあえて自分の巣を作る恐れしらずの鳥がいる。
身長40センチほどのミズベイシチドリは、自分の卵を他の捕食者から守るために、捕食上位者であるナイルワニの近くに住むことに決めたのだ。
もちろんタダで守ってもらえるとは思っていない。ワニが留守中、ワニの卵を狙う捕食者がやってきたら、命がけで追い払う。
それを知ってかナイルワニはミズベイチドリを襲うことはない。もちつもたれつ、ギブアンドテイクの共存関係ができているのだ。
以下の動画は、ナイルワニの巣の卵や、ナイルワニの赤ちゃんに偽装したロボットにカメラを設置し撮影したものだ。
Brave Little Bird Defends Crocodile Eggs!
アフリカでは勇敢な鳥がワニとの共存関係を築き上げた。ミズベイシチドリは地元じゃ最強の捕食者、ナイルワニの巣の間近に巣を作る。
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同居人が殺し屋なら自分たちの卵が他の捕食者から守られるからだ。だがタダで守ってもらえるとは思っていない。
その見返りにワニが留守中、ワニの卵を捕食者から守ってあげるのだ。
ワニの卵を守るために天敵と戦うミズベイシチドリ
ナイルワニとミズベイシチドリには共通の天敵がいる。卵を狙うナイルオオトカゲである。その全長は1.8メートル、体重9キロでイシチドリの35倍の重さだ。
オオトカゲの大好物は卵である。その体を維持する為に1日4キロ以上の卵を食べる。ワニの卵だろうが鳥の卵だろうが、とにかく卵なのだ。
オオトカゲも地元じゃ上位カーストに君臨してる。筋肉質な体と驚異的な脚力、俊敏力を持ち、顎(あご)の力も凄い。
顎の骨は凄まじい力で閉じる為、イシチドリの頭蓋骨ごとき、簡単に砕くことができる。だが彼らも卵を守るために必死だ。
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自分の卵のみならず、ワニが留守中はワニの卵も命がけで守る。オオトカゲはワニの留守中を狙ってやってくる。
そしてついにオオトカゲがやってきた。抗戦の時間だ。負けたら卵を奪われるし、最悪は自分の命も奪われる。
イシチドリのメスは羽を逆立て翼を大きく広げ体の大きさを3倍に見せる。卵を守っていたオスも戦闘に加わる。
鋭いくちばしで、オオトカゲの急所である目を突こうとするがオオトカゲも引き下がろうとしない。
そしてついに、イシチドリの声を聞きつけたワニが戻って来た!オオトカゲもさすがにワニにはかなわない。撤収を余儀なくされた。
弱肉強食の世界にあっても、お互いに生き延びるため、時に捕食者と被食者が契約を結ぶこともあるのが自然界の面白さだ。
だが時にアクシデントが発生するのも世の常だ。オオトカゲと応戦し、卵を守っていたイシチドリの声を聞きつけて戻って来たワニだが、その大きな体でうっかりイシチドリの卵をつぶしてしまうこともある。
Why a Bird Teams up with a Croc to Protect its Eggs
上の動画では2個あった卵のうち1個をワニにつぶされてしまったようだが、残り1個をオスのイシチドリが温めるところで終わっている。
こういったアクシデントを加味しても、ワニのそばにいたほうが卵は安全なのだろう。
written by / parumo
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