劇団ひとり・村上信五

2日放送の『午前0時の森』(日本テレビ系)で、MCの劇団ひとり新型コロナウイルス感染により欠席したが、代理のMCなどは呼ばれなかった。その理由は、当日の放送を考察することで理解でき、また月曜の『午前0時の森』に希望を見出せる。


■村上信五の1人MC

2日月曜の『午前0時の森』では、 MC・ひとりが新型コロナウイルス感染によって欠席した。通常ならば代役のMCを補うところだが、あえてかそうはせず、関ジャニ∞村上信五が1人でMCを担当。

通常2人のMCのトークであるところを延々と1人喋りで埋め続けたため、当然、代役のMCを補うべきとする声もあった。

午前0時の森』は「疑似生」放送となっており、放送日に収録し、基本的には編集なしでそのまま放送する番組。よって極めてハードルの高い技術が求められるわけだが、村上は卓越したトーク術で、1人で番組を成立させていた。


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■月曜『午前0時の森』の再起

午前0時の森』は、もともと、基本的に2人MCを中心にして、生放送を行おうという意欲的な番組。しかし、本放送に先駆けたパイロット版でのゲストMC・ 元プロレスラー前田日明の暴走により、「疑似生」番組となった。

そのため、挑戦的番組ではあったものの、挑戦をしすぎた結果、当初の挑戦すらままならない事態に。「疑似生」放送にて、大した挑戦もできなくなり、村上とひとりのトークもそれほど噛み合わず、評価されない結果となった。

その流れに引きずられ、ひとりの不在における村上1人でのMCに批判もあったが、2日の放送は、村上&ひとりがMCを担当する、月曜『午前0時の森』の再生の兆しが見出せたのだ。

■挑戦的ゲスト選びにも光明

月曜『午前0時の森』では、番組中盤からゲストを呼ぶ構成をとっている。これまでスピーチライターやディベートスペシャリストなど招くゲストが特殊で、スタッフの能力が疑われる雰囲気もあった。

そんななか2日の放送では、倍速機能などを使うことで「テレビ番組を後から短時間で観る人々」について詳しいライターを呼んだ。

これまでと同様ともいえるが、テレビ側の人間と、テレビを後から短時間で観る視聴者について解説するゲストとの対談ならば、この日不在であったひとりは喋りやすかっただろう。対立構造が見出せるからである。つまりは、これまでのゲストの挑戦性にも出口が見え始める兆しだ。


■お天気コーナーにも正解の兆しか

また番組の最後には、生放送を想定した天気予報のコーナーがある。天気予報のコーナーも「疑似生」放送となり、方向性が定まらないよく分からないコーナーとなり、試行錯誤していた。

ここにおいて、天気予報のコーナーも、2日の放送では、放送日の誕生日のタレントを紹介しながら天気をお知らせするシュールな形となり、正解がみえてきているだろう。


■挑戦と信頼の村上1人MC

つまり、『午前0時の森』は、「疑似生」放送となり、挑戦もできなくなった失敗番組かと思いきや、制作スタッフの意欲が萎んでいたわけではなく、再起への意思は失われていないと確認できたのだ。

ここで、 ひとりの不在に代理MCを呼ばなかったのは、挑戦性と村上への信頼ゆえだと理解できる。ひとりの欠席というアクシデントをきっかけに、新たなスイッチの切り替えとなるかもしれない。月曜『午前0時の森』の新たな挑戦に期待できる。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

『午前0時の森』で劇団ひとりの代役がなかった理由 村上信五への信頼と挑戦