日本の19式装輪自走155mmりゅう弾砲はどうする?

20フィートコンテナやパレット積載に対応

ドイツに本社を置く兵器メーカーのラインメタルは2022年5月5日ドイツ連邦軍に対して新型の8輪式軍用トラックの量産初号車を納入したと発表しました。

この車両は「RMMV(ラインメタル・マン・ミリタリーヴィークル)HX」と呼ばれる軍用の多用途戦術トラックで、一番の特徴は乗員の防護能力にあるとのこと。一方、強力なエンジンを搭載しているため、高い機動性も兼ね備えています。

足回りは8WD(8輪駆動)でペイロードは最大14t。なお、荷台は20フィートコンテナパレットの積載が可能で、油圧フックで引っ張りあげるPLS(パレット・ローディング・システム)の場合、約30秒で積み込みまたは積み降ろしが可能だといいます。

ルーフ上部には7.62mm機関銃を備えた遠隔操作式銃塔(リモート・コントロール・ウエポン・ステーション)や発煙弾発射機などを搭載できるほか、NBC兵器などから乗員を保護するための空気清浄システムも装備するとのこと。

すでにラインメタルは、ドイツ連邦軍と2020年6月18日にRMMVを540両納入する契約を交わしており、このうち230両が乗員防護性に優れた仕様で調達されることになっています。なお、5両がすでに要員訓練用として引き渡されているそうです。

ちなみに、「RMMV HX」の原型である「MAN HX」は陸上自衛隊が導入を進めている19式装輪自走155mmりゅう弾砲のベース車体でもあります。

ドイツ連邦軍に引き渡された最新型の「RMMV HX」多用途戦術トラック(画像:ラインメタル)。