ニースの一部サポーターが元ナントのFWエミリアーノ・サラ氏を侮辱するチャントを歌ったとして、フランス・プロサッカーリーグ機構(LFP)の規律委員会が調査に乗り出した。12日にフランス紙『レキップ』が報じている。

 ニースは7日に行われたクープ・ドゥ・フランスフランス杯)決勝でナントに0-1で敗戦。サラ氏を侮辱するチャントが歌われたのは四日後の11日、ホームで行われたリーグ・アン第36節サンテティエンヌ戦(○4-2)でのことだった。試合開始9分、2019年1月にナントからカーディフへと移籍する途中で飛行機事故により亡くなったサラ氏を嘲笑する内容のチャントが、一部のウルトラスによって歌われた。

 試合後、ニースはクラブ公式サイトに声明を掲載。チャントを「最も強い言葉で非難」し、「少数派のサポーターによる想像を絶する忌まわしい挑発行為を認めることはできない。ニースは、エミリアーノ・サラ氏のご家族とご友人への支援を表明します」とコメントしていた。

 また、ニースのクリストフ・ガルティエ監督は、「耳にしたものを言い表すための言葉が見つからない。エミリアーノ・サラ氏の遺族とナントに謝罪したい。スタジアムであんなことを聞くべきではない。死者を侮辱するために来たのなら、家にいるべきだろう。スタジアムの光景は社会情勢の反映だと言われることがある。それが私たちの社会だとしたら、本当にひどいことだ」と、一部サポーターの愚行に怒りを露わにしていた。

 試合担当者の報告書にも問題のチャントが記載されたことを受け、LFPの規律委員会はチャントの調査を行う予定だという。

2019年1月に飛行機事故で亡くなったサラ氏 [写真]=Getty Images