今年2月に乃木坂46を卒業した新内眞衣。その後も、バラエティ番組への出演や新たなラジオ番組のパーソナリティーに就任するなど、精力的に活動を行っているが、7月に上演される、自身が長年勤めてきたラジオ番組、オールナイトニッポンを運営するニッポン放送が製作した“音”をテーマにした舞台『ON AIR~この音をキミに~』に出演することが発表された。自身にとって切っても切り離せないというラジオ……そんなメディアの魅力と共に、新内の現在の胸の内を聞いた。


ラジオは特別なメディア


オリジナルストーリーで綴る舞台『ON AIR~この音をキミに~』の主人公は、目の見えない妹・鈴と共に東京から小さな街に引っ越してきた青年・桜木真。仕事は、音響効果を行う音効マン。真は「音には人を救うチカラがある」と信じており、街のラジオ局「FMフレンド」で働くことになる。番組を通じて「ラジオは聴いて楽しいだけじゃない。人の悩みを解決する場所だ。顔が見えないからこそ、本心を打ち明けられる場所なんだ」という思いを伝えようと、懸命に頑張る姿が描かれる。

新内は、真が引っ越してきた町役場の職員・谷山茜を演じる。仕事熱心で真面目だが、それゆえに空気の読めない発言もしばしばしてしまうという女性だ。「私が演じる茜は、ラジオ局の人間ではないのですが、作品全体から『ラジオっていいな』と思えるような内容になっています。音の媒体だからこそ伝わるものがあるというは、自分もパーソナリティーを務めていて感じていたことなので、すごく共感ができる作品だなと思いました」。


新内自身、大学在学中に乃木坂46のオーディションに合格しアイドル活動を行いつつ、大学卒業後は、ラジオ番組の制作会社に入社。アイドルとOLという二足の草鞋を履いて活動してきたという、異色の経歴を持つ。さらに2016年からは『オールナイトニッポン0(ZERO)』でパーソナリティーを務めると、約7年間番組を続けた。


それだけに「顔が見えないからこそ、本心を打ち明けられる場所なんだ」という舞台のキャッチフレーズにも大いに共感するという。「番組をやっているとき、ファンやリスナーの方から『面白いこと一つもない毎日だけれど、ラジオを聴くようになってから、学校に行けるようになった』とか『仕事が楽しくなった』と感想をもらい、しっかりと心をさらけ出して伝えることをしてきて良かったなと思うことは多かったです」。


さらに新内は「ラジオの生放送って緊張感があるのはもちろんですが、自分が発した言葉がそのままダイレクトに伝わるんです。だからこそ大変なのですが、私は乃木坂46の卒業発表をラジオの生放送で行ったとき、私の素直な気持ちが、息遣いや声色などを通じてリスナーの方に伝わったと思ったんです。私にとっては特別なメディアだなと思っています」とラジオへの思いを語る。

乃木坂46卒業してからの変化――「秋元真夏とはめっちゃ連絡取っています」


乃木坂46を卒業してから約3カ月。「私はどちらかというとリセットするタイプではなく、積み重ねてきた人間だと思っているんです。まあ悪く言えば切り替えられない人間なのかもしれませんが、だからこそ卒業して、パチッと心機一転気持ちが変わるとか、そういう感覚ではないんです」といまの心境を吐露する。


それでも新内は「一人でやるということは、緊張しようが滑ろうが隣に仲間がいないという寂しさがあります」とつぶやくと「でもなにをやるにも自分次第なので、面白みは増えたような気がします。乃木坂46にいたときは、私が下手なことをしてグループの名が傷ついてしまったらどうしようという思いは常にありました。逆に私が頑張れば、もっとグループの違う面が見せられるのかも……というプラスな面も多かった」と多少の変化について語った。


日常生活の面でも「ほとんど変化はないですね」と笑う。そんななか「唯一一人になって『おー』って思ったのは、スケジュールが前もって分かるようになったこと」だという。グループ在籍時は、1週間のスケジュールはある程度分かっていたものの、現場への入り時間は直前にならないと分からなかったという。しかし、いまはある程度把握できるようになった。「行きたいときにマッサージに行けるってすごくありがたいですね(笑)」。


一方、メンバーとの交流については「少しは減ったかな」と明かすも「でもグループにいるとずっとメンバーと一緒にいると思われる方も多いのですが、それこそ選抜とアンダーとか、フロントと3列目とか、いろいろな組み合わせで動くことが多いので、会わないメンバーとは1か月以上会わないことも平気であるんです。ライブとか『乃木坂工事中』の収録以外は、あまりグループ全体での仕事ってないので、それほど急に交流がなくなったという感覚はないですね」と語る。


続けて新内は「卒業しても、秋元真夏とはめっちゃ連絡取っているので、あまり(交流が)減った感じはしなんです。あと、桜井(玲香)や松村(沙友理)ともの仲が良いのですが、二人は連絡がマメなタイプじゃないので」と笑うと「やっぱり乃木坂46にいるときは、言っても仕事のメンバーという意識があるので、慣れ合いになってしまってはいけないという思いが強かった。卒業してからの方が友達という意識は強くなった気がします」と心境の変化を明かしていた。

しっかりと私自身を伝えられる仕事ができたら……


土田晃之 日曜のへそ』、『SDGs MAGAZINE』などのラジオ番組をはじめ、舞台『新・熱海殺人事件 ラストスプリング』など、乃木坂46卒業後も精力的な活動が続く。新内は「お芝居は基本的にいろいろな作品に触れたいと思っていますが、あまり背伸びすることなく、目の前にあることを一つ一つ確実にこなして、そのなかで新しい一面が見せられたらいいなと思っています」と語ると「しっかりと伝えられる人になりたい」と目標を掲げる。


“伝える”と言う部分には新内なりの思いがあるという。「発信が止まると、ファンの方も、そこで情報が更新されない場合がありますよね。例えばいつまでたっても“水泥棒”と言われるし、永遠に餃子しか食べてないと思っている人もいるんですよ」と笑うと「その意味で、どんどん私自身を伝えられる仕事ができたらいいなとは思っています」と思いを述べていた。


大きな変化のあった2022年。新内は「とにかく今年は温泉に行きたいです。行かせてください」と懇願。コロナ禍で「本当にずっと旅行も我慢しているので、自分が開放的になれるところに行きたい。できれば海外に行きたいんです」とプライベートでの野望を明かすと、舞台については「どんな人が来ても楽しいと思える作品にしていきたいです」と抱負を述べていた。


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取材・文:磯部正和

撮影:友野雄(Yu Tomono)


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