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 人を見た目で判断したり、容姿を理由に差別したり、外見を蔑視するような発言は「ルッキズム」と呼ばれており、これを見直そうという動きが世界的に広まっている。

 そんな中、イギリスで「ハゲ発言はセクハラ行為」という判決が下された。訴えを起こした男性は、上司に「ハゲ野郎!」と言われたことでカっとなり手を上げてしまったが、それが元で解雇となった。

 発端は「ハゲ」発言によるもので不当解雇であると男性が会社と上司に訴えを起こしたところ、裁判所はこれを認めたのだ。

【画像】 解雇の背後にあった「ハゲ発言」

 トニー・フィンさんは、電気技師として24年間勤めていた製造会社を去年5月に解雇された。

 その理由は、年下の上司であるキングさんに「このハゲ野郎!」と呼ばれたことで、腹を立てたフィンさんが暴力行為に出てしまったからだ。

 しかし、解雇に納得できなかったフィンさんは、原因が上司の「ハゲ」発言にあったとして、裁判所に訴え出た。

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裁判所、ハゲ発言をセクハラ行為と認める

 サウス・ヨークシャー州シェフィールドの裁判所で行われた雇用審判で、ジョナサンブレイン判事は、キング氏ののハゲ発言が、ハラスメントのレベルにまで達しているかについて十分審議した上で、脱毛に苦しむ男性3人の事例を取り上げ、フィンさんの訴えを認める判決を下した。

フィン氏に対し、蔑称的な言葉を使ったことが望ましくない行為であることは疑いの余地はない。キング氏は外見に関する発言で一線を越えた。

我々の判断では、"ハゲ "という言葉と、保護されるべき特性である性との間には関連性があり、本質的に性別に関連しているものとみている。

キング氏の発言は、フィン氏の尊厳を侵害し、品位を傷つけ、屈辱的かつ、不快な環境を作り出すことを目的として発したという結論以外を導き出すのは難しい。

侮辱的に「ハゲ」を使うことはセクハラに分類される。

 これに対し、被告側の弁護士は「ハゲは男性だけでなく女性にも存在するもので、性的な差別ではない」と主張したが、判事は「確かにそうだがハゲは女性よりも男性に多く見られる特徴である」とし、「ハゲと言う言葉を投げかけられるのは男性である可能性が高い」と付け加えた。

「ハゲ」発言はフィンさんの品位を傷つけ屈辱的なセクハラ行為であったこと、また24年間勤続したのちに解雇したのは不当であったことが大々的に認められたわけだが、フィンさんへの賠償額は後日決定されるとのこと

 こうして不当解雇およびハゲ発言に対するセクハラ行為で勝訴となったフィンさん。彼への損害賠償額は、後日決定されるということだ。

References:Calling men 'bald' at work now considered sexual harassment in the UK/ written by Scarlet / edited by / parumo

 
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男性に「ハゲ」と言うのはセクハラ行為。イギリスの裁判所が認定