メキシコチワワ州シウダー・フアレスで行われた葬儀で、故人の娘が撮影した愛犬の動画に多くの人が涙した。棺の小窓に顔を近づけた犬は中を覗き込んで匂いを嗅いでおり、人々は「犬は飼い主が亡くなったことを悟ったのだと思う」「きっとお別れを言っているのね」といった声をあげた。『La Razón de México』などが伝えている。

TikTokerのエレーラ・ナレリーさん(Herrera Nalleli)が今月2日、亡き母の棺を覗き込むオスのピットブル“ゼウス(Zeus)”の動画を投稿したところ、2週間で再生回数が500万回を超えた。

「ママがいなくなって寂しいわ」と言葉が添えられた動画では、棺のそばに立つ人々に交じってゼウスが棺の後方に行儀よく座っているのが見て取れる。

棺は故人の顔が見られるように小窓が開いた状態で、ゼウスはその後、棺の前方に移動すると尻尾を振りながら棺の周りの匂いを嗅いだ。

そして再びお座りをしたゼウスは、棺のすぐそばにいた男性に促されるようにして小窓のそばまで行き、前足を棺にかけて中を覗き込んだ。

ゼウスは何度か故人に鼻を近づけたり、中を覗き込むようにして落ち着かないが、棺の中にいるのが大好きな飼い主の女性であることを確認したのだろう。しばらくすると男性2人に足を支えられるようにして床に降りた。

エレーラさんは「母が病気になってからというものずっと、ゼウスは静かに母のそばに寄り添っていました。母の隣に父や甥っ子が寝ていてもそれは変わりませんでした」と明かしており、この動画を見た人からは次のようなコメントが寄せられた。

「この犬は最後のお別れをしているのよ。」
「犬にさよならを言うチャンスを与えてくれてありがとう。」
「犬は飼い主がなぜ棺に入っているのか分からず、困惑しているのかもね。」
「いいえ、犬は女性の死を悟ったはず。」
「少なくとも何か悲しいことが起きているのは分かっていると思う。」
「私の母が亡くなった時、うちの犬は1か月間、毎晩泣き続けた。悲しい気持ちは犬も同じ。」
「私まで泣けてきた。」
「犬は4つ足を持った子供だよ。それにベストフレンドでもある。私たちを守り、私たちと同じように感情があるんだ。」

エレーラさんはその後、TikTokに母の写真を多数投稿し、亡き母への想いをこのように綴った。

「魂が痛むけど、私は母を送り出さなくてはならない。ママ、子供たちや孫みんなにたくさんの愛をありがとう。素晴らしい経験をさせてくれて、そして私の母でいてくれてありがとう。私たちを幸せにしてくれてありがとう。素晴らしい人間で、世界で最高のママだったあなたのことを私たちは忘れないわ。たくさんの愛をありがとう。安らかに眠ってね。ママ」

ちなみに動物行動学を研究する獣医キャロライナ・アラグナ・クルーズさん(Carolina Alaguna Cruz)は「犬は鋭い嗅覚を通して人間や仲間の死を感じることができると考えられており、犬が死を悼むことは十分あり得る」と述べている。

なお今年2月にも南米コロンビアで、棺のそばを離れない犬の姿が捉えられ涙を誘った。犬は2日間、食事をとることも眠ることも拒否していたという。

画像は『The Mirror 2022年5月15日付「Heartbreaking moment mourning dog pays final respects to owner at funeral」(Image: CEN)』『LA NACION 2022年5月11日付「Un perro se despidió de su dueña en su funeral y se hizo viral: “Niños con cuatro patas”」(TikTok)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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