気が付けば、令和も早や4年目に突入。日々の生活の中で昭和や平成が遠い昔に感じられる瞬間も、そう珍しくないだろう。
しかし以前、ツイッター上では「今って昭和だっけ…?」と呟きたくなる衝撃的な光景が話題となっていたのだ…。
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■店頭にズラリ並んだのは…
注目を集めていたのは、プログラマーとして活動する後藤浩昭さんが投稿した一件のツイート。
家電量販店などで、PCやテレビ、ビデオゲームの実動デモが行われているのは何ら珍しい光景ではないが、後藤さんの投稿した店内の写真はどこかがおかしい…。
なんとこちらでは、35年前に発売されたPCが店頭に並び「まだまだ現役だ」と言わんばかりに、元気な姿でゲーム画面を表示している様子が収められていたのだ。
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■「まだ動くのか…」とどよめき
後藤さんもツイート本文にて「X68の実動デモやってるハードオフは珍しい…」とつづっているように、これらは1987年にシャープより販売された「X68000(SUPER)」および、1988年に日本電気より販売された「NEC PC-8801FE」などのPC実動デモの様子。
もちろん「新品」ではなく、ハードオフが店頭にて展示していたリユース品および、ジャンク品のPC・モニターなのだが、前述の通り35年前の機器が稼働していること自体が驚異的である。
やはり件のツイートにも「すげー、まだ動くのか…」「デモの選択画面が渋い」「こんな古いの、長時間デモして壊れないのかな…」「昔の家電量販店みたいだ…」といった具合に、感動と驚きの入り混じったような声が多数寄せられていた。
そこで、後藤さんがこちらの光景を目撃したという「ハードオフ甲斐双葉店」の担当者に詳しい話を聞いたところ、「ジャンク品」並びに「ユーザー」に対するハードオフの深い愛情が明らかになったのだ…。
■この理由には思わず納得
X68の実動デモやってるハードオフは珍しい… 😀 pic.twitter.com/9ox4FkSDFT
— 後藤 浩昭 / GORRY (@gorry5) April 2, 2022
今回の取材を快諾してくれた担当者は、店頭デモの見所について「やはり目玉はX68000でしょうか。当時の他のパソコンと比べて音やグラフィックが優れており、製造は1987年のものですが『ゲームをするなら現在の物と比べても遜色がない』と言われるほどの名機です」と力説してくれた。
令和と平成をすっ飛ばし、良い意味で「昭和と見紛う」かのような実機デモを開始した経緯については「そもそもの始まりは、自店でしかできないことをやろう、という考えからでした。その考えから店内を見回した際、ホビーパソコンの在庫がいくつかあり、これらの動作品、実働品はそうないだろうと思い、目立つ展示を開始いたしました」とも振り返っている。
やはり本体が相当な年代品ということもあり、「購入の際に不安を感じる来店客も少なくない」「古い機種は稼働させていないと逆に壊れる可能性がある」という2点をクリアすべく、あえて稼働させることにより「きちんと動いている」という安心感を持ってもらえるよう、今回のユニークな実動デモを実施したというのだ。
■ハードオフが「愛される」理由
ちなみにデモの実施にも紆余曲折を経ており、接続端子を適合させるための変換器を用意し、液晶でなくあえてCRT(ブラウン管)モニターを使用することで、当時の空気を感じられる展示を行なっているというから相当なこだわりぶりである。
なお、稼働の際に必要だったソフトについては、同店の常連客の協力があったというから微笑ましい。
こちらの経緯をめぐり、担当者は「たまたま持ち込んで頂いたものに関連性ができ、たまたま接続することができ、ソフトを提供してくださった方がいたため、このような環境を作ることができました」「ハードオフでは、展示してある商品を見たお客様から、似たようなお品物をお買い取りさせて頂くケースがございます。こういったものをお持ち頂けることに感謝の気持ちを忘れず、さらに精
進してまいります」と展望を語ってくれたのだ。
ジャンク品やリユース品に対する愛情はもちろん、ユーザーに寄り添うこうした姿勢こそ、ハードオフが多くの利用客に愛され続ける所以ではないだろうか。
【店舗詳細】
「ハードオフ甲斐双葉店」
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