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 睡眠中、脳内では蓄積された老廃物を除去するための清掃作業が行われている。これはとても大切な作業で、適切な睡眠をとらないと体に不調をきたす。

 新しい研究によると、寝不足になると、他人の顔を注意して見つめることができなくなる。その結果、表情から気持ちを読み取ることができなくなり、信頼できそうにないと感じられてしまう。

 そのせいで相手に悪い印象を抱き、人付き合いが嫌になってしまうという。更には社会的な引きこもりになってしまう可能性すら示唆されている。

【画像】 睡眠不足になると人の表情を読み取れなくなる

 ウプサラ大学(スウェーデン)のリエヴェ・ヴァン・エグモンド氏率いる研究チームは、45人の参加者に、1週間以上開けて徹夜と8時間睡眠の両方を経験してもらった。

 参加者はその翌朝、視線追跡センサーを装着してさまざまな表情(幸せ・怒り・恐怖・中立)を浮かべた顔の画像を観察し、その顔の魅力・信頼度・健康さを評価した。

 その結果、徹夜明けだと、顔の表情に関係なく、見つめる時間が6.3%~10.6%低下することが判明した。

 さらに感情を読み取るためにより多くの時間を必要とし、なおかつ顔の表情を正確に読み取る能力が低下していることが明らかとなった。

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寝不足になると他人に悪い印象を抱くようになる

徹夜明けでは、怒った顔は信頼度も健康さも低めに評価されました。また中立の顔と恐怖を浮かべた顔は、魅力が低いとの評価でした。

これは寝不足になると他人により悪い印象を抱くようになることを示唆しています

 研究グループクリスチャンベネディクト氏は説明する。

 同氏によると、それが続けば、人付き合いが段々と嫌になってしまう恐れもあるとのことだ。

 寝不足で人付き合いが嫌になる可能性があるとしても、それほど意外ではないだろう。だが、今回の研究は興味深いことを示唆している。

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Priscilla Du Preez on Unsplash

寝不足が要因で社会的な引きこもりになる可能性も

 寝不足で他人に悪い印象ばかり抱く人が、社会的な引きこもりになるという可能性だ。

 これについて研究グループは、睡眠不足になると顔に注意が向かなくなり、他人の感情をうまく把握できなくなることと関係するのではと推測している。

 相手の気持ちを読み取る力は、他人と協力して生きるにはとても大切なことだ。だから社会生活が困難になっていく。

 寝不足で注意力が低下することは誰でも経験済みだろうが、これもまた今回の結果に関係しているかもしれない。

 いずれにせよ、きちんと結論を出すには、もっと研究が必要だ。

 今回調査対象になったのは比較的若い人たちだったが、同じことがその他の年代にも当てはまるのかどうか定かではないし、慢性的に寝不足の人にも言えるかどうかも不明だ。

 この研究は『Nature and Science of Sleep』(2022年5月2日付)に掲載された。

References:Being Sleep-Deprived Actually Changes The Way We See Other People

 
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睡眠不足になると表情を読み取る能力が低下し、人に悪い印象を抱くようになる