TOKYO MX地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。4月8日(金)放送の「モニフラZ議会」では、Z世代の論客が被選挙権と若者の政治参加について議論しました。

◆選挙権、成人年齢は引き下げられるも被選挙権は…

4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられるなど若者の権利が広がるなか、世界から遅れをとっているのが、若者の政治への参加。2016年に選挙権は18歳になりましたが、被選挙権の引き下げは行われていません。

昨秋の衆院選の際、「YOUTH FLAG モニフラが描く ニッポンミライ」と銘打ち、Z世代コメンテーターに政策提言をしてもらいました。

そこでインスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは「被選挙権18歳引き下げ」を主張していました。能條さんが政治に関心を持ったきっかけはデンマークへの留学で、当時21歳。現地では同い年の国会議員が誕生していたり、友達の友達が政治家になっていたりという状況に驚愕。能條さんは、「何かを変えたいと思ったときに政治家になるというアクションがある社会は、より若い世代の声が届く社会だと思うので、(日本でも)早く実現してほしい」と切望します。

また、議会に若い世代がいることで、「若者にも数多くの課題があるなかで、若者を呼んでその声を聞いているだけでは見えていなかった固有の課題をデンマークでは見つけることができると思った」と能條さん。例えば、有償だった精神疾患に関する医療費が21歳まで無償になるなど、若者の動きが政治に繋がり、どんどん社会が変化していったと話します。

株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは「進路に政治家を」と提起。現状では25歳以下の大学生政治家になることはできないものの、被選挙権が下がれば「卒業して政治家になるという進路ができる。これはすごくいいこと」と語り、「若い人はダメとか、そんなことはないと思う。そもそも選ぶのは選挙であり有権者。出馬に年齢は関係ない。僕は(被選挙権が)18歳以下でもいいと思うが、そもそも引き下げられないことに違和感を覚える」と疑問を呈します。

なお、現在の被選挙権年齢は衆院議員(小選挙区)が25歳。参院議員(選挙区)と都道府県知事は30歳。都道府県議会議員や市長(政令指定都市)、市区議会議員は25歳。また、立候補するために必要な供託金は、衆議院参議院選挙区で300万円となっています。

被選挙権が引き下げられない理由のひとつとして、番組Twitterにも「社会経験不足」との指摘がありましたが、能條さんは「18歳以上で働いている人もいるし、社会人経験とは何か。学生も社会で生きる一員。会社に入って働くだけじゃない」と力説。

さらには、女性に被選挙権が与えられた際もさまざまな意見が飛び交いましたが今では当たり前になっていることからも「変わってしまえば当たり前になる」とも。

昨年の衆院選時、被選挙権年齢の引き下げについて公約に掲げる政党もありました。それは公明党立憲民主党日本維新の会国民民主党共産党。なかでも維新と共産党は「供託金」の見直しにも言及していました。

この供託金に関しては「高すぎる」という声もありますが、小幡さんは「ある程度はしょうがない」と見解を示します。なぜなら供託金次第では立候補者が乱立してしまう可能性があり、有権者の負担が増えてしまうから。さらには、選挙が売名行為・宣伝に使われてしまう可能性があるため「そんなに問題な金額ではないと思う」と肯定的。

◆世界各国の被選挙権、21歳以下が過半数

世界を見渡すと被選挙権は18歳」の国が最多で、イギリスフランスドイツなどが該当します。次いで「21歳」で、この2つを合わせると過半数を占めます。そして、それに続くは日本をはじめアメリカ、韓国などの「25歳」。なお、被選挙権が21歳以下の国では45歳以下の政治家の割合が33.4%。21歳以上の国に比べ、かなり高くなっています。ちなみに、日本の国会議員の平均年齢は55.75歳です。

では、被選挙権がない若者はどう思っているのか。街頭で聞いてみると「引き下げたほうがいい。若者の意見も取り入れるべき」(13歳 女性)、「考え方次第で年齢は関係ない。年齢関係なく立候補できたらいい」(21歳 男性)、「18歳は高校卒業の年代でまだ未熟」(15歳 男性)、「立候補にはお金がかかるし、18歳が用意できるお金には限りがある」(18歳 男性)など賛否が分かれる結果に。

また、もしも被選挙権が引き下げられた場合、選挙に立候補したいか聞いてみると「やりたいことをやりたいので立候補はしたくないというか興味がない」(21歳 男性)、「面倒くさそう」(13歳 女性)などの声がありました。

こうした意見に、能條さんは「この議論はまだ始まったばかり」と言い、さらなるデータ解析を熱望。そして、立候補に関しては「大人も立候補したいかと言えば、大体の人がしたくないと思う。そういう意味では、できるだけ(立候補したい人が)多くなればいいなと思うし、実現のためにクリアしなければいけないハードルが何か洗い出さなくてはいけないと思った」と被選挙権引き下げに向け、決意を新たにします。

◆Z議会からの提言…今後の主権者教育のあるべき姿とは

若者の政治参加意識を育む「主権者教育」に関しては、この4月から高校で必修科目の一部に組み込まれました。それは「公共」という科目で、社会参画に必要な力を育成するもの、いわば選挙や社会保障、家族制度などを学びます。

この必修化について専門家は「画期的」と評するも、「主権者教育は政治の仕組みではなく、政策の中身を学ぶものであってほしい」と言います。そして、政策の中身というのは地域ごとに変化が必要で、科目横断的な教育が望ましいとしています。

現在、神奈川県の小中学校ではすでに主権者教育を実践。小学校の国語の授業で「夏休みの長さ」を議論し、県の教育長に提出。中学校の地理ではさまざまな国の立場からヨーロッパの進むべき道を考えるといった授業もしているそうです。

平和教育を研究する東京大学3年生の庭田杏珠さんは、主権者教育も自身が探求している平和教育も“自分ごと”にと主張。そして、双方ともに市民としての資質や能力を育成する「シチズンシップ教育」が重要と言い、「高校生からではなく、小学校やそれ以前から、学校、教材だけでなく、家庭や地域単位で巻き込んで、学んでいくことが大事」とも。

かたや小幡さんは、現状の主権者教育は「実際に結果が出ていると思う」と評価。というのも、18歳選挙権がスタートした際、18歳の投票率はとても高かったから。「結果が出るのはわかっているのでもっとやるべき」と推奨します。

最後に今後の主権者教育のあるべき姿に関し、Z議会を代表して能條さんが「社会の中の1人として、生活の中の民主主義(を教える)」と提言を発表。

これは、政策や社会そのものを客観的な立場から俯瞰できる主権者を育てるのではなく、そうした目を持つことは重要ではあるものの「あくまで私たちがいる社会の中の1人として、何ができるのかという視点が必要」と能條さん。

神奈川県の施策も素晴らしいと思うが」と前置きしつつ、「そうしたことが身につくのは教科だけでなく、いろいろな場で」、さらには「自分が主語で語れるような人材を育てていくべき」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter@morning_flag

選挙権は18歳も被選挙権は25歳から…その背景と課題を徹底議論