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メキシコのシナロア州トポロバンポ湾にて今月14日、“ブリーチング”と呼ばれる大ジャンプをしたザトウクジラが海面ではなくホエールウォッチング中のボートの上に落ち、4人が重軽傷を負った。『news.com.au』などが伝えている。

事故が起きたのは14日午後6時頃で、ザトウクジラブリーチングは近くのボートに乗っていた観光客が捉えていた。

動画では、ジャンプ直後のザトウクジラボート後方から覆い被さるように倒れこむのが映っており、ボートは一時沈んで見えなくなるも再び海面に浮上する。

またTwitterユーザーの「Karem」さんがTwitterに投稿した事故後の写真では、ボートの屋根が壊れて手すりが曲がり、座席には血痕が残っているのが見て取れ、衝撃の激しさをうかがうことができる。

現地メディア『Línea Directa Portal』は、女性2人とボートの所有者を含む男性2人が怪我をし、同州ロスモチスの病院に搬送されたことを伝えており、女性1人は脚を骨折し、男性1人は肋骨を骨折したうえ頭に怪我をする重傷だったという。「アメリカ海洋大気庁(NOAA)」によると、ザトウクジラは大きなもので体長が18メートル、体重は40トンに達することもあるそうで、4人の命が無事だったのは不幸中の幸いと言える。

なおトポロバンポ湾では、ボートの船長はクジラとは一定の距離を保つ義務があるが、市当局の関係者は「ボートクジラに近づきすぎたことが事故の原因だろう」と推測、この事故には次のようなコメントがあがった。

ボートが近づきすぎて、クジラが脅威を感じたんだよ。」
「人間がやることはあまりにも無謀で愚か。」
「周りにはかなりの数のボートがあるよね。ボートに追われているクジラは気が休まらないだろうね。」
クジラも怪我をしたのでは? 可哀そうだ。」
ボートの数を制限するなど対策が必要だね。」

ちなみに同海域では12月から4月がホエールウォッチングに最適で、観光客が最も興奮するというクジラブリーチングには「激しい音をあげてコミュニケーションをとるため」「寄生虫を落とすため」「オスのアピール」「遊んでいるだけ」など様々な説があるようだ。

トポロバンポ湾でのボートクジラの事故は今回が初めてだそうだが、メキシコのバハ・カリフォルニア・スル州ラパス市の沖合でも先月、ホエールウォッチング中だった小型ボートがクジラに衝突し、観光客が船外に投げ出される事故が発生しており、同様の事故は年々増加しているという。

画像は『news.com.au 2022年5月17日付「Terrifying moment passengers watch on as whale lands on boat」』『Karem 2022年5月17日付Twitter「Demasiado… 」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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