がんの影響で3本脚になった犬はある日突然、冷たい川に飛び込み泳ぎ始めた。飼い主が驚いて様子を見守っていると、犬は溺れかけていた生まれたばかりのカワウソをくわえて戻ってきたのだ。カワウソの赤ちゃんを保護した団体は「犬が助けていなければこの子の命はなかった」と犬の行動を称賛している。『CBS Minnesota』などが伝えた。

米ミネソタ州レイクランド在住のクレオ・ヤングさん(Cleo Young)が飼っているゴールデンドゥードルの“ガス(Gus、6)”は今年2月、がんを患い腫瘍を摘出して治療したが、その後さらに腫瘍が見つかり右の後ろ脚を切断しなければならなかった。クレオさんは「これまでのように走れなくなってしまうと思って悲しんでいましたが、ガス自身はまったく気にしていなかったみたいです」と手術後のガスの様子を明かしており、フレンドリーなガスは元気いっぱいに過ごしていた。

そして先月17日、クレオさんがイースターのディナーを楽しむために家族と集まっていた時にガスが驚きの行動を見せた。近くにあったセント・クロワ川(St. Croix River)に突然飛び込んだガスは、何かを探すように泳ぎ始めたのだ。しばらくして岸に戻ってきたガスは口に何かをくわえており、クレオさんの孫であるルーシーさん(Lucy)の足元にそれを置くと、生後間もない小さなカワウソであることが判明した。ガスは川で溺れかけていたカワウソの赤ちゃんを発見し、3本脚で泳ぎにくいにもかかわらず救出するために川へ飛び込んだのだった。

ルーシーさんは「ガスは明らかに何かを探すように泳いでいましたが、それが何なのかは分かりませんでした。ガスは本当に優しい子なんです。ガスはカワウソの赤ちゃんが助けを必要としていることを分かっていて私たちのもとに連れて来たのだと思います」と当時を振り返った。

クレオさんたちはカワウソの赤ちゃんを保護し、すぐにローズビルにある「ミネソタ州野生動物リハビリテーションセンター(Wildlife Rehabilitation Center of Minnesota)」へ連れて行った。カワウソの赤ちゃんは体温が下がり肺炎を起こす危険があったが、同センターで治療を受け現在は回復している。同センターのスタッフは「このカワウソは泳ぐにはまだ早く、母親と一緒に巣にいるはずの時期です」と明かしており、巣の場所やどれだけ流されてきてしまったのかは現在も分からないという。

ガスの活躍が各メディアで報じられると、「なんて素敵な話なの!」「こんなに小さなカワウソの赤ちゃんを救ってくれたガスはヒーローだ」「心が溶けそうなくらい素晴らしいよ」などガスの行動を称える声が続出した。一躍ヒーローとなったガスだが闘病はまだ続いており、化学療法をあと3回は受ける予定だという。

なお過去には、ラブラドール・レトリバーが川で溺れる子鹿を救ったというケースも大きな話題を呼んでいた。

画像は『CBS Minnesota 2022年4月23日付「Three-Legged Dog Battling Cancer Rescues Baby Otter From St. Croix River」(credit: CBS)』『Wildlife Rehabilitation Center of Minnesota(WRC) 2022年4月20日付Facebook「Everyone give a shout-out to Gus, the wonderful goldendoodle who, while swimming in the St. Croix River」』『Wildlife Rehab Center of Minn 2022年4月17日付Instagram「Go ahead and swoon, we did.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト