「名物席」での撮影、アクロバティック~!

ウエディングプランナー資格保有の社員発案

ANA(全日空)が保有する総2階建ての超巨大旅客機「フライングホヌ(空飛ぶウミガメ)」。これを1機まるごと貸し切り、ウェディングフォトを撮影するという企画「OH!ANA ~FLYING HONU Memorial Photo~」が2022年5月20日成田空港で実施されています。その様子を取材してきました。

ANAのA380は、2019年に成田~ホノルル線の専用機として導入されました。座席は4クラスで計520席を配し「ウミガメ(ホヌ)」の特別塗装が施されています。

ただ、同型機は新型コロナウイルス感染拡大による需要減退の影響によって、2020年3月に定期便運用から外れており、その間は不定期で地上イベントや遊覧チャーターなどに投入されてきました。

今回の企画もその一環で実施されたもので、ウエディングプランナーの資格をもつANAグループの社員発案によって実施されたものといいます。

「ウエディングは人生の中の大きなイベントだと思います。またウエディングは、帰省や旅行などとも密接に関わってくると思っており、そのきっかけをつくれないかと考えて企画しました。ハワイらしさを追求した飛行機である『フライングホヌ』が飛べないなか、いかにハワイらしさを出すかというのがポイントで、音楽や小物にこだわって用意しました」(企画担当者)

なお、今回の機内ウエディングの撮影費用は53万7000円(平日の場合)。3組が撮影を実施するとのことです。

「フライングホヌ」での撮影会が超特徴的だった!

ANAのエアバスA380「フライングホヌ」を用いたウエディングフォトは、機外はもちろんのこと、機内でも実施されます。

機内撮影は、A380の特徴である胴体最前方にある1階席と2階席をつなぐ階段を用いたショットをはじめ、ANAの「フライングホヌ」でもっともグレードの高い「ファーストクラス」や、「フライングホヌ」のセールスポイントのひとつ、1階席最後方にあるベッドのように寝転がれる座席「カウチシート」などを用いて撮影が実施されました。このほか、当日の新郎新婦の希望に応じビジネスクラスなどでも撮影が行われています。なお、機内の照明は虹色のもので、BGMはANAホノルル線で採用されているものが流れていました。

この日ウエディングフォトを撮影した新郎新婦は「お互い飛行機を見るのが好き」ではあったものの「フライングホヌ」の機内に入るのは初とのこと。実機をみたとき「本物だ!と思いました。とくにビジネスクラスのフルフラットは快適だった記憶があります」と新郎は話します。

参加の理由について新郎は「コロナ禍の状況で旅行や式をあげられないなかで少しでも思い出になればと思いました」とも。新婦も賛成だったようで、その理由として「私の両親が『ホヌ』を用いた『機内食レストラン』に参加していたこともあった」と話します。

なお、ANAの「フライングホヌ」は7月より成田~ホノルル線の定期便に復帰する予定です。今回の企画をはじめ、同機がこれまで実施してきた地上での異色イベントが今後どのようになっていくのか。その展開も注目されるところです。

「OH!ANA ~FLYING HONU Memorial Photo~」の様子(2022年5月20日、乗りものニュース編集部撮影)。