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軽量スポーツクーペ「CSL」の復活

BMWは、E9型3.0 CSLの発売50年を記念し、新型M4 CSLを発表した。「CSL」の名が使われるのは約20年ぶりとなる。

【画像】サーキットに特化した軽量2ドア・クーペ、新型BMW M4 CSL【標準モデルのM4と写真で比較】 全81枚

価格は12万8820ポンド(約2050万円)からで、限定1000台のみが生産される。ドイツの名サーキット、ニュルブルクリンクのラップタイムは7分15秒677で、BMWの市販車としては最速とされている。

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BMW M4 CSL    BMW

パワートレインはおなじみのツインターボ直6エンジン「B58」を搭載。最高出力550ps/6250rpm、最大トルク66.2kg0m/2750rpmを発揮し、0-100km/h加速3.7秒、0-200km/h加速で10.7秒と、従来よりタイムがわずかに短縮される。

標準のM4と同様、8速Mステップトロニック・トランスミッションを採用し、後輪のみを駆動する。

リアシートの廃止などにより、M4から約100kg軽量化され、車重は1625kgとなった。先代M4 GTSと比較してわずか40kgの増加にとどまる。

具体的な軽量化措置としては、セラミックブレーキアルミホイールスプリングストラットなどの改良により約21kgの減量を実現。また、ボンネットはカーボンファイバー強化プラスチック製に変更されている。インテリアでは、カーボンファイバー製バケットシートの採用で24kg、リアシートとシートベルトを取り外すことでさらに21kgの軽量化を達成した。

これらの調整により、車重1トンあたり339psという、ポルシェ911 GT3をわずかに下回るパワーウェイトレシオを達成している。

サーキット走行に特化したチューニング

M4 CSLは、アダプティブ・サスペンションを標準装備し、車高を8mm下げることでエアロダイナミクスを向上。フロントには19インチ、リアには20インチのホイールが装着される。

さらに、鋳造アルミニウム製のフロントストラットブレース、個別にチューニングされたアクスルキネマティクス、ダンパー、補助スプリング、アンチロールバー、カスタムチューニングされたホイールキャンバーを備えている。さまざまな路面環境やタイヤ温度に対応する10段階のトラクションコントロールでグリップレベルを調整可能だ。

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デザインとしては、専用キドニーグリルアグレッシブなエアカーテンとフロントスプリッターなど、フロントエンドの印象を大きく変えた。また、ダウンフォースを高める専用のリアウイングも装備されている。

ケットシートはワークショップでのみ調整可能で、バックレストの角度は固定されている。各シートには6点式ハーネスを装着でき、リアにはレーシング・ヘルメット2個を収納できる専用のスペースが用意されている。

M4 CSLはサーキット走行に特化しているが、車載システムは標準のM4とほぼ同じだ。パーソナル・アシスタント、スマートフォン接続、ワイヤレス充電、M専用オプションのヘッドアップ・ディスプレイがすべて標準装備され、先進の運転支援システムも多数搭載されている。

BMW CSLの歴史

CSLという名称は、これまでにも複数のモデルに採用されてきたが、最後のモデルは2003年のE46型M3だった。直6エンジンを搭載したM3 CSLは、360psと37.6kg-m/4900rpmを発生し、トランスミッションには、よく使われるSMGが採用された。

CSLとは「Coupe Sport Leichtbau(クーペ・スポーツ・ライトウェイト)」の略で、1972年にE9型3.0 CSLに初めて与えられた。このモデルは、BMWが欧州ツーリングカー選手権に参戦するためのホモロゲーションスペシャルとして作られたものだ。

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ホモロゲーションとはいえ、レースに特化したコンセプトは大きく変わってはいない。3.0 CSLには、スリムなスチール製ボディ、アルミニウム合金製のドアやトランクリッド、ボンネットなど、多くの軽量化措置が施された。また、欧州仕様にはパースペックス製のサイドウインドウが採用された。


BMW M4に「CSL」 100kg軽量化 約20年ぶりのサーキット特化モデル登場