今月17日、アメリカのビーチで深さ約3メートルの大きな穴を掘って遊んでいた兄妹が、崩れてきた砂により生き埋めとなってしまう事故が発生した。最初に救出された17歳の妹は奇跡的に一命を取り留めたが、18歳の兄は残念ながら亡くなってしまった。砂遊び中に命を落とすという悲劇的な事故について『NBC10 Philadelphia』などが伝えている。

ニュージャージー州トムズリバーにあるチャドウィック・ビーチで今月17日の午後4時頃、家族で訪れていたメイン州在住のリーバイ・キャバリーさん(Levi Caverley、18)は17歳の妹と一緒に砂浜でフリスビーを使って大きな穴を掘り始めた。2人はどれだけ深く掘れるかということに夢中になったようで、気付けばその深さは10フィート(約3メートル)にまで達した。

身長を優に超す3メートルの深さの穴に入ってさらに掘り進めていたリーバイさんたちだったが、突然砂が崩れて大量の砂が勢いよく降りかかり2人はそのまま生き埋めの状態になってしまったのだ。近くでこの様子を目撃した人々やリーバイさんの家族は、2人を救出するため砂を掘り出した。通報を受けたトムズリバー警察やレスキュー隊も到着してバケツリレー方式で砂をかき出し、重機も用いて懸命な救助活動が続いた。

そして午後7時、妹が砂の中から救出され手当てを受けると奇跡的に一命を取り留めることができた。しかしリーバイさんは見つからずその後も救助活動が続けられたが、のちに同警察がFacebookにてリーバイさんの死亡が確認されたと公表した。当時このビーチには監視員であるライフガードは配備されていなかったといい、現在も警察による調査が進められている。

今回、救助活動に参加したボランティア消防隊の隊長であるティム・ファレルさん(Tim Farrell)は「柔らかい砂がリーバイさんの上から崩れ落ち、わずか数秒で全てが砂で覆われてしまったようです」と明かしている。救出された妹は比較的表面に近い場所で埋もれており、救助活動中はずっと救助隊員らに話しかけていたという。しかしリーバイさんは底に近い場所で生き埋めになっていたそうだ。

トムズリバーのモー・ヒル市長(Mo Hill)は「子どもたちはビーチで小さな穴を掘っていますが、事故に繋がりますので深く掘り過ぎないように注意してください」と夏本番を迎える前に注意を呼びかけた。このニュースが各メディアで報道されると、「聞いていて辛いニュースだ」「こんなに恐ろしい結果になるなんて…」「この事故は悲しすぎる」と悲しみのコメントが相次いだ。

リーバイさんの父親であるトッド・キャバリーさん(Todd Caverly)は「リーバイは私自身のような子でした。風変わりで、他人がどう思うのかをあまり気にしない子でしたね。イエス・キリストのことも知っており、テクノロジーオタクでプログラミングが大好きでした」と早すぎる息子の死を悼んだ。

ちなみに同様の事故は過去にも発生しており、昨年8月にはブラジルでビーチの砂山に掘った穴で遊んでいた10歳男児が生き埋めになり死亡していた

画像は『NBC10 Philadelphia 2022年5月17日付「Teen Dies After Sand Collapses on Him at Jersey Shore Beach」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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