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ヲタ活をしている女友達が、「彼氏いないと世間から『かわいそうなヲタク』『2次元に逃げてる』って思われるんだよね」と言いながら、義務か何かのように彼氏を作った。

「おめでとー」と笑いながら私は、多分心で泣いていた。

私もたまに、そういう「世間のプレッシャー」を感じることがある。たとえば高校・大学時代に「東大入ったら結婚/彼氏できないよ」とか、「どうせ結婚するのに東大なんか行っても意味ないじゃん」とか、友達から言われて、「そんなもんなのかぁ」と思ったことがあった。そういえば、東大の同期が「東大に入ったら結婚できないんだったら、最初から勉強しなければよかった」と愚痴っていたのを今でも覚えている。

「女は30歳までに結婚したほうがいいよね」みたいな話をされると、まだ24歳の私もちゃんと憂鬱になる。「結婚しなかったら、親の外聞が悪いかな」とか「楽しくやってるのに、かわいそうに思われたくない」とか、そういう感情が浮かんできてしまうからだ。(文:HOKU)

将来の夢は「およめさん」が普通?

小学生のころ、将来の夢「およめさん」という女子がたくさんいた。

中学生になったら、「理想の結婚相手」を友達同士で話すようになった。

高校生の時も、みんな「初恋でそのまま結婚っていいよねぇ」と話していた。

少女漫画を読めば、「純愛からの結婚」が理想のテンプレとして描かれている。おとぎ話も「2人は結婚して、幸せに暮らしました」で終わる。

だから、「それが普通」という人たちがいるのは、頭ではわかる。26歳で結婚し、28歳で子供を産んで、専業主婦になって、子供の成長を見守るのが、彼らの幸せなのだろう。

もちろん、それはそれで良い……んだけど、自分自身がそういう人生を積極的に送りたいとは、少なくとも現時点では思っていない。

私は誰かと暮らしたいけど、その誰かと結婚している必要はないと思う。女友達でもいいし、恋人でもいいし、男友達でもいい。仕事はずっとしていくつもりだけど、他の全てを放り出して仕事だけに打ち込みたいとも思っていない。こういう話をすると、「結婚か仕事か、どちらかを選べ」みたいな話になりがちなのも、おかしいと常々思っている。

ようは、私の人生なのだから、私なりの生き方を見つけたいのだ。

巷にいろんな人生が溢れかえってほしい

でも、「女は30までに結婚」みたいな価値観が支配的であればあるほど、そこから外れた生き方はしにくくなる。「パートナーもいないなんて、かわいそう」とチクチクと言われればそれなりに落ち込むし、場合によっては「結婚しないと一人前じゃない」みたいに、プライベートなことで人間性を評価されてしまうこともある。

他人からの評価をガン無視して生きられるほど、私はまだ精神・経済・社会的に、十分な強さを手に入れられていない。

だが現実問題としては、周囲を見渡せば、結婚しても不幸せそうな夫婦は山ほどいる。離婚したけど隣に住んで仲良くしている元夫婦を知っているが、離婚したから逆にいい関係になれた、というケースもあるだろう。長く付き合ってもあえて結婚しない人もいれば、結婚離婚を繰り返す人もいるし、そもそも恋愛や結婚に全く興味がない人もいる。

人生が、少女漫画のテンプレみたいに単純じゃないことには、たぶんみんなも気づいているはずだ。まだまだ王道少女漫画雑誌は「恋愛=結婚」的な作品であふれているけれど、少しずつ多様性が描かれるようにはなってきた。最近は、女2人で仲良く暮らしている芸能人や、ゲイ男性と結婚した女性エッセイストが、プライベートをメディアで語ったりしている様子が取り上げられたりもしている。

この調子で、巷にいろいろな人生が溢れかえっていけば、生き方の違いに目くじらを立てる人はどんどん少なくなるはず。だから、ちょっと他人と違ったスタイルの人生を送っていて、それを発信してくれる人には感謝しかない。私もそういう発信に日々の勇気をもらって生きている。

私自身が将来どうなるか。いまは全くわからない。だけど、ここであえて宣言しておきたい。私は、他人にとやかく言わず、とやかく言われない、最高に幸せな婆さんになるのだ!

ヲタ活している女友達が、世間のプレッシャーに負けて「彼氏」を作っていた。