自由気ままにバイクで旅をしていた男性が、旅の途中で野良の子猫に出会った。子猫は母親を亡くし路地をさまよっていたそうだが、男性に何かを感じたようで近づいてきてそばを離れない。
男性はフレンドリーな子猫を飼うことに決め、それからはもう、いつでもどこでも一緒だ。子猫をバイクに乗せて、男性と猫の旅が始まった。
これまで、男性は猫と一緒に12か国を旅した。やせっぽちの小さな子猫は、今は好奇心旺盛な冒険猫に代わり、飼い主との旅を楽しんでいるようだ。
ドイツのローゼンハイムに住むマーティン・クラウカさん(32歳)は、遊牧的なライフスタイルを理想とし、2017年7月に仕事を辞め、8月下旬からバイクで世界各地を旅する生活をしてきた。
地中海に沿ってイランへ行き、次にアラブ首長国連邦を訪れ、10か国を横断して12月にドバイに到着した。
その途中、去年3月にモロッコの路上で1匹の野良の子猫と出会った。
地元の人によると、その子猫の母親は車の事故で亡くなってしまったという。孤児になった子猫は小さく痩せていて、このままでは生き延びることが難しいだろうということだった。
子猫はクラウカさんに興味をしめしたようで、恐れることなくすぐに近寄ってきた。腕に抱きかかえるとすぐに眠ってしまうほど、会った瞬間から、子猫はクラウカさんにロックオンしたようだ。
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子猫を連れて旅することに
これほど自分に懐いてくれる子猫を放置することはできない。クラウカさんは子猫を連れ、その日は一緒にホテルに宿泊したという。
自由気ままな旅をしてきたクラウカさんは、猫を飼うことはまったく頭になかった。しかし、ひとなつこい子猫は彼のそばを離れない。もしかしたら一緒に楽しく旅ができるんじゃないか?
そう思った彼は、子猫を「モーグリ」と名付け、翌朝バイクに乗せてみた。
クラウカさんは猫が安全に乗れるよう装備を整え、バイクに乗せて走ってみた。最初はおっかなびっくりだったものの、逃げ出す様子はない。
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30分ほど走るとモーグリは慣れてきた。徐々に余裕を見せ始め、バイクの移動を楽しんでいるように見えた。
野良猫から世界中を旅する冒険猫へ
バイクで旅するクラウカさんと一緒に、バイクの前のバッグに安全に入れられたモーグリの冒険も始まった。
時折、頭を出して通り過ぎる景色を眺めたり、でこぼこ道を走行するクラウカさんに抗議の声をあげたりしながら、なかなか楽しんでいるようだ。
旅先の公共の場では、クラウカさんの肩に乗りおとなしくしているが、キャンプ地では自由に敷地内を探索しているという。
猫と一緒の旅は、予測不可能でユニークです。猫同伴だと、特定のイベントや観光スポットに出入りできず、店やホテルから追い出されたこともあります。
宿泊施設が見つからず、凍てつく砂漠で夜を明かした時もありました。
でも、モーグリとの旅は幸せで、そうした犠牲を払う価値があるかけがえのないものです。
このように話すクラウカさんは、既にモーグリとの第1弾の旅を完了させており、現在はドバイで働いている。貯金を貯めて、今年の夏にはパキスタンとインドをバイクで旅する予定だそうだ。
乗り物に乗るのを好まない猫も多いが、それが大好きな猫も一部存在する。モーグリもそのタイプだった。1匹と1人の出会いは必然だったのかもしれない。
モーグリとクラウカさんの冒険はまだまだこれからも続く。第2弾の旅が始まるまで、モーグリはたっぷりと休憩を取っているということだ。
クラウカさんとモーグリの冒険の記録は、Instagramのアカウント『motomogli』で見ることができる。
written by Scarlet / edited by parumo
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