施設で保護された犬が、新たな飼い主が見つかり引き取られていく。これは犬にとっても、施設スタッフにとっても最高にうれしい瞬間だという。
アメリカの保護施設では、保護した犬に家族が見つかると、飼い主登録カードを持って犬にそのことを伝えに行く。
犬はその意味がわかるようで、全身全霊で喜びを表現する。新たな家族が迎えに来ると、更にそのうれしさは頂点に達するようで、どの犬も尻尾をギュンギュンに振りながら駐車場までの道のりを新たな飼い主と共に歩いていく。
Shelter dogs' reactions to being adopted
アメリカ、オハイオ州にある非営利団体の動物保護施設「 Wayne County Humane Society」では、パピーミル(子犬工場)から救出した犬や、諸事情により手放さなければならなくなった犬や猫を保護し、獣医による質の高いケアや去勢、避妊手術を行っている。
この施設では安楽死処分は行わない。次の飼い主がみつかりやすいように、仮里親に預けたりしながら、人間とより良い社会生活が営めるようなしつけを施している。
そんな施設スタッフにとって最高にうれしい瞬間は、犬に新たな適切な飼い主が見つかったときだという。
スタッフは、オレンジ色の飼い主登録カードを持って犬の元へ向かう。犬は自分に新たな家族ができたことを理解できるようで、全身でその喜びを表すそうだ。
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家族が迎えに来る日、犬は意気揚々と飼い主にリードをひかれながら施設を後にする。
新しい家族が見つかったことを告げた時の犬の表情からは、うれしさがボロボロとこぼれだしているのがよくわかる。
SNSが普及したおかげで、以前よりも飼い主が見つかりやすくなっているという。ペットを養子縁組するには、きちんと飼うことができるかどうかの審査が行われ、承認された養子縁組申請書が必要となる。
そうした審査を経た新たな家族の元へ迎え入れられる犬たちは、どの子もみんな幸せに満ち溢れており、既に家族としての絆が出来上がっているようだ。
施設スタッフがもっとも悲しい瞬間
最もうれしいことばかりではない。施設スタッフにとって悲しい瞬間もあるという。それは、事情があって飼えなくなった犬を保護する時だそうだ。
元飼い犬だった犬のほとんどは、数日間はずっと玄関先で元の飼い主が戻ってくるのを待ち続けているのだという。
その姿を見るのはとても胸が痛むというスタッフ。時にケージの中に入り、犬を慰めることもある。
スタッフから愛情を注がれ、月日が過ぎていくに従い、犬は徐々に自分が置かれている状況がわかるようになってくるという。
そんな犬が、新たに愛してくれる家族に巡り合い、幸せに第二の犬生を生きられることが、スタッフにとってのやりがいであり、生きがいなんだそうだ。
written by parumo
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