ラ・リーガは21日、フランス代表FWキリアン・エンバペとの契約延長を発表したパリ・サンジェルマンPSG)を、欧州サッカー連盟UEFA)、フランスの行政・財政当局、欧州連合当局に提訴する方針であると発表した。ラ・リーガ公式サイトが伝えている。

 かねてからレアル・マドリード移籍が噂され、一部では合意報道もあったエンバペが21日、PSGと2025年までの新たな契約を結んだことが発表された。海外メディア『ユーロスポーツ』は新契約の中身について、PSGからエンバペに契約ボーナスとして3億ユーロ(約400億円)、新たな年棒として1億ユーロ(約135億円)が提示され、肖像権のほとんどがエンバペに譲渡される可能性があると報じている。

 これを受けて21日、ラ・リーガエンバペPSGとの契約に関して声明を発表。昨シーズンに7億ユーロ(約945億円)もの損失を計上したPSGが、エンバペとの新契約により来シーズンも莫大な人件費を支払うことを問題視し、PSGエンバペとの新契約は欧州サッカーの経済的安定性や国内リーグの雇用と安全性に危険をもたらすものであると批判している。そしてPSGの行動がUEFAフランスの経済管理規則に違反しているとし、PSGUEFAフランスの行政・財政当局、欧州連合当局に提訴する方針であると明かした。

 ラ・リーガの会長を務めるハビエル・テバス氏は、21日に自身のツイッター(Twitter)を更新し、PSGの行動を「これはサッカーへの侮辱だ。アル・ケライフィ(ナセル・アル・ケライフィPSG会長)の行動は欧州スーパーリーグ構想と同じくらい危険だ」と、怒りを綴っている。

 果たして今後、事態はどこに向かっていくのだろうか。エンバペ残留決定後も目が離せない状況となった。

ラ・リーガはPSGを提訴する方針であると発表した [写真]=Getty Images