梅雨入り

ここ最近、不安定な天気が続いている。すっきりしない天気が続くと、頭痛やめまいなど、「気象病」になる人も多い。

そんな中、事前に「気象病」を予測できるアプリ「頭痛ーる」が話題になっている。アプリの運営会社に、梅雨シーズンの対策について聞いてみると…。

【写真】頭痛ーるの効果的な利用法


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■5月下旬から梅雨入り

12日、日本気象協会が2022年梅雨入り予想を発表した。予想によると、九州南部では5月27日ごろで、6月に入ると九州北部、四国、近畿、東海など本州でも梅雨入りするという。

関東では、6月4日ごろと平年より早い予想だ。最近は、晴れて夏のように暑い日が続いたかと思えば、一転して連日雨になるなど、不安定な天気が続いている。

こうした天候の変化によって、頭痛やめまい、疲労感、関節痛など、さまざまな症状が出る「気象病」を患う人が増えている。この病気は近年認知されていて、季節の変わり目や梅雨の時期に起こりやすいと言われており、一昨年ごろからは関連の市販薬が出現し始めた


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■気象病を事前に予測できる

頭痛ーる

不安定な天気が続く中、スマホのアプリ「頭痛ーる」が注目されている。「頭痛ーる」は、気象予報士が開発した気象病対策アプリ。

気圧グラフやプッシュ通知で頭痛などの気象病を事前に予測したり、痛みや服薬記録ができるため、体調管理に役立つ。ネット上では、「頭痛ーるで低気圧チェックして、下がる前に薬飲むようにしてる」「頭痛くてアプリ開いたら気圧下がってた。気圧のせいだって安心した」「頭がボーっとするから頭痛ーるチェックした」「もはやこのアプリ見るのが日課になってる」など、注目度の高さがうかがえる声が見受けられる。

■記録をつけることが大切

頭痛ーる

このアプリはどんなふうに使えばいいのだろうか。Sirabee編集部は「頭痛ーる」の運営会社に取材を依頼。ウェザーグループ グループマネージャーの宗像剛義(むなかたつよし)さんに話を聞いた。

ポピュラーなご利用例としては、大きく分けて2つあります。1つは、グラフで予報を見ていただくということ。症状を感じたときに頭痛ーるを見て、気象変化の影響の可能性があるということを確認していただくという使い方です。『心当たりのない体調不良だったものが、もしかしたら気圧のせいかもと思えるだけで楽になる』というお声を多くいただいています。また、事前に予報を確認していただくことで、『明日の夕方あぶないかも』と心構えを持っていただけます」(宗像さん)。


■原因行動を記録することで…

続いてさらに便利な機能を説明してくれた。

「もう1つは、記録機能です。痛みのレベルや薬を飲んだか、女性であれば生理の記録もつけられます。あとは、フリーのメモ欄に、例えば痛みが出る前に自分がどんな行動を取ったかを書きます。前日にお酒を飲みすぎてしまった、睡眠が足りなかった、普段食べない辛い物や消化に悪いものを食べたなど、思い当たる原因行動や詳しい症状を残しておくと医療機関を受診する際に役立ちます」と宗像さん。

こうした記録をつけることで、先のことを想定した行動を取ることができる。「人によって、気圧が下がっているときに痛くなる人もいれば、低下した後に痛くなる人もいます。その記録をつけておけば、場合によっては『この時間帯は危なそうだから、急ぎの仕事を早めに終わらせよう』『動画配信サービスで楽しみにしていた映画を観るのは、明後日まで楽しみにとっておこう』と計画することもできるかと思います」(前出・宗像さん)。

■「自律神経の乱れを改善する行動」

頭痛ーる

これから梅雨入りが予想されるが、どんなことに気をつければいいのだろうか。

「不安定な天気が続いている際に起こる気持ちの沈みや頭痛は自律神経の乱れが影響していると考えられています。曇りや雨が続いた結果、頭痛や気持ちの沈み、食欲不振、吐き気、動悸、めまいなどの気象病の症状が現れやすくなります。また、ぜんそくや腰痛、肩こり、神経痛、関節痛、うつ病メニエール病、線維筋痛症、自律神経失調症などの持病をお持ちの方は症状が悪化しやすくなるので特に注意が必要です」 (前出・宗像さん)。

気圧の変動は頭痛などの症状が発生する要因の1つでしかないと語る。「専門家の方々にお話を伺っているなかで、ストレスやアルコール、睡眠不足など、症状や個人によって、さまざまな要因があり、気圧の変化は、その中のひとつだということが重要だと考えています。対策としてよく伺うのは、自律神経の乱れを改善する行動を行うことで、少しでも症状の発生を抑えたり、やわらげたりすることが大切です。具体的には、血流をよくする行動やストレスや疲労を軽減させる行動、規則正しい生活をおくることなどがあります」(前出・宗像さん)。


■どうやったら軽減できる?

具体的な方法についても教えてくれた。

「頭痛ーるの記事でご紹介している例としては、耳のマッサージや首のストレッチ、ヨガ、ツボを押すなどです。ストレスや疲労の軽減としては、お風呂にゆっくり浸かる、音楽を聴く、アロマを嗅ぐといったことです。また、十分な睡眠や早起きして朝食を抜かないなど、規則正しい生活をすることも大切です。あとは、慢性化していたり、悪化してしまったり、少しでも不安が残るようであれば、専門家に相談しながら治療することをおすすめしています。病院はもちろん、鍼灸院や漢方の調剤薬局に行って相談することもおすすめしています」(前出・宗像さん)。

「頭痛ーる」は13年4月にリリースして以来、利用者は着々と増えていて、現在800万ダウンロードを記録しているという。梅雨になったら、このアプリは手放せなくなるかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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