TOKYO MX地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。5月11日(水)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、“沖縄返還50周年”について考えました。

1975年に沖縄が日本に返還、その背景にはある密約が…

まずはこれまでの過程を確認してみると、1945年8月に太平洋戦争が終戦し、1952年4月にサンフランシスコ平和条約が発効。沖縄はアメリカの統治下となりました。そして、翌年4月にはアメリカ国民政府が土地収用令を公布。

その後、1967年12月に当時の佐藤栄作首相が国会で「非核三原則」を表明し、1969年に佐藤首相と当時のニクソン米大統領「核抜き本土並み」で沖縄の返還に合意。1972年5月15日に沖縄が返還されました

佐藤首相とニクソン米大統領の日米首脳会談により、沖縄返還が決定し、核兵器は撤去されましたが、有事の際には沖縄への核兵器の持ち込みを認める“密約”が日米間で交わされていました。

佐藤首相が掲げた「核抜き本土並み」は日本の総意かと言えばそうではなく、当時の琉球政府はあくまで無条件の即時全面返還、いわば基地のない状況での返還を望んでいました。ただ、もしかするとこうした合意がなければ沖縄の早期返還は実現しなかったのかもしれません。

東京新聞」経済部記者の大島晃平さんは、この密約をアメリカは情報公開している一方で、日本政府は認めていないことに触れ「日米の情報公開の差をとても感じる」と惜しみます。そして、何より沖縄返還からまだ50年であることに、「最近の話」と驚きつつ、「そこから日本政府は何も変わらず、情報公開の制度も変わっていない」と率直な印象を述べます。

アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは、2016年にこの密約を進めた会議の議事録が公開されたものの、未だ分析が進んでいないことに、その早期解明を求めつつ、「表で言っていたことと裏で言っていたことが違うのは問題だと思うが、この密約があったから返還に繋がったという見方もできると考えると密約の意義も改めて議論しなくてはいけない」と政治的な駆け引きの是非を憂慮。

また、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、政府・行政に対し、信頼性を担保するには「情報公開も含め、それがどういったロジックで、どんなことを見通しているのかわからないと、不安、疑心暗鬼になる」と言い、その上で「この密約が結ばれていた事実は変えられないが、今後どうするのかも含め、既にオープンになっているからこそ話さなければいけない」と日本政府に情報公開を求めます。

◆日本の約70%が集中、さらに移設も…沖縄の米軍基地問題

沖縄を巡る問題で欠かせないのは米軍基地。現在、沖縄にはアメリカの基地・専用施設が集中し、その数は31。日本にある米軍施設の70%を占めています。

その背景には、日米安保条約に基づき米軍が日本を守る、有事の際は出撃地になることがあり、メリットとしては戦争の抑止力。そして、飲食店など基地周辺が栄えることが挙げられますが、デメリットとしては軍事拠点のため標的になる可能性があること。さらには、事故などによる民間人への被害の可能性、治外法権による対処が困難なことなどがあります。

キャスターの堀潤曰く、沖縄返還前、本土では日米安保反対の声が高まり、政府としてはアジアの安全保障のいかに守るのか混迷。そうした中で、沖縄に基地を移設することで米軍のプレゼンスを維持し、当時は冷戦の最中だったこともあって核を含めた密約がなされたわけですが、それは同時に沖縄に負担を強いてきたということでもあり、堀は「我々はそうした認識をまず持つべき」と主張。

そして、喫緊の問題は基地移設問題普天間飛行場の移設案として、候補地は名護市辺野古となっていますが、2015年には当時の翁長知事が移設に反対。現在の玉城知事も反対を示すなど、国と県で足並みが揃っていません。

ここで堀は、沖縄返還と基地移設問題は「構造が似ている」と指摘。というのも、政府は基地移設の大名目は普天間地域の人々の負担軽減と再三言っているものの、実際には1960年代にアメリカが策定したマスタープランに辺野古に新基地を作り、核の貯蔵施設や軍港機能を持ったものを建設しようとあり、それがまだ生きているから。

堀はこの話を今は亡き元沖縄県知事・大田昌秀さんを取材した際に聞いたそうで、「我々の預かり知らないところで話が進んでいないか、知っていることがあるなら全部オープンにした上で選択させてほしいが、なかなか……」ともどかしさを滲ませます。

番組Twitterに寄せられた「日米では情報公開の基準が違うの?」というツイートに、これに堀は「違う」と明言。また、「国防に関する機密をそこまで開示する必要があるのか?」という旨のツイートには、「アメリカには基準があり、開示期間もある。日本の場合は特定機密に収容されたり、残さなくていいと判断された文書が廃棄されていたり、情報公開に関しては大きな課題が残っている」と日米の違いを明かします。

大島さんもこうした状況を直視すると「今の日本政府は国民の声を代弁していない」とこぼし、「日本の代表としてアメリカと対等に語り合ってくれているのか」と危惧。

他方、現在は中国の海洋進出や対ロシアを考慮した上で、アジア太平洋地域の安定・均衡をいかに保っていくのかを考えた際、堀は「沖縄や奄美などの地域が重要な軍事拠点になっている」と話します。また米軍だけでなく、自衛隊の基地・施設に関しても多くの問題を抱えており、さまざまなジレンマがあることは否めません。

総じて、能條さんは「まずは沖縄の立場を知ること」と強調。「密約の話も含め、沖縄に住んでいない人は知らないままでもいられるが、そうではなく、沖縄では(米軍による)被害などもあるので、そうしたことも含めて注目が集まれば」と切望します。

視聴者からは「沖縄県民以外の国民が沖縄に存在する問題を“自分事” として考えないと解決の糸口は見えてこない」との意見も。堀は「本土と沖縄との格差は政治的な部分で、ある意味、交渉の材料にされてきてしまったところがある一方で、意識がみんな連帯しないと変わらないと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter@morning_flag

沖縄返還50周年に考える、日本の国防、情報公開、そして米軍基地問題