株式会社CRI・ミドルウェアは5月24日(火)、新製品「CRI TeleXusアーリーアクセス版の提供を開始した。

 同社は長年にわたって音声や映像技術の研究開発を続けている企業で、ゲームを中心として運用される「CRI ADX」や「CRI Sofdec」といったミドルウェアの数々を手がけてきた。ブランドを総称して「CRIWARE」と呼ばれるサービスの採用数は国内外で累計6000ライセンスを突破し、海外での採用数も増加しているという。

 今回、アーリーアクセス版の提供がスタートした「CRI TeleXus」はコミュニケーション用のミドルウェアであり、ゲームをはじめ自動車、家電などあらゆる製品やコンテンツに組み込むことができ、ユーザーコミュニティの構築や活性化に貢献するとしている。

ミドルウェア「CRI TeleXus」提供開始。100人規模のボイスチャットを実現1
(画像は「CRI TeleXus」に関する公式ニュースより)

 アーリーアクセス版では、音声データが10Kbps、総データ通信料で13Kdpsという非常に低い通信量でのボイスチャット機能が利用可能。プラットフォームの垣根を超えた100人規模の多人数での同時会話に対応し、立体音響によって話者のポジショニングも表現できるという。

 通常であれば、通信量の減少は通信帯域に余裕を生み出すが、同時に音質の低下にもつながってしまう。「CRI TeleXus」にはCRI・ミドルウェアの高度な音声圧縮技術や音声処理技術が活用されているとのことなので、実際に利用した際の音質も気になる所だ。

 くわえて、年内をめどにビデオチャット機能の実装を予定しており、映像を通してより深いコミュニケーションを実現。メタバースやオープンワールドゲームといった、大規模なコミュニティで求められる数千人規模の同時多人数チャットにも対応すると謳う。プレイヤー同士のコミュニケーションにとどまらず、観客やサポーターともつながることでさらなるコミュニティの拡大をはかる運用が提案されている。

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(画像は「CRI TeleXus」に関する公式ニュースより)

 さらに、AIによるコミュニケーションアシスト機能もアナウンス。具体的にはAI通訳によって言語の壁を越えた会話を可能としたり、AIアドバイザーがゲームの攻略法を伝えるといった機能が実装されていくようだ。

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(画像は「CRI TeleXus」に関する公式ニュースより)

 「CRI TeleXus」についてはゲームのみの利用に限らず「車同士をつないで異なる車内でカラオケバトル」「会場の臨場感が伝わるオンラインライブ」など、さまざまな分野における多彩な運用が考案されている。

 アーリーアクセス版はすでに法人企業向けに提供を開始。ネットワークを介したコミュニケーションを拡大する製品として、今後の展開にも期待できそうだ。詳細についてはCRI・ミドルウェアの公式ニュースコンセプトページなどを参照されたい。

「CRI TeleXus」に関する公式ニュースリリースはこちら「CRI TeleXus」コンセプトページはこちら