―[ライオン兄さん連載コラム「米国株FIREの流儀」]―


 株式会社バイアンドホールド 代表取締役社長の山口貴大と申します。YouTubeSNSでは「ライオン兄さん」名義でお金にまつわる情報を発信しておりますので、すでに私のことをご存知の方は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。

 さて、今回は「FIRE達成者の共通点」について記事を書くことに致します。

FIRE達成者の共通点とは?

 FIRE(Financial Independece, Retire Early)とは、経済的自由を得た結果、早期リタイアすることです。株式や不動産など資産からの収入で日々の生計が成り立ち、定年(日本の場合は65歳くらい)まで働かずに自由な時間を過ごすという新しいライフスタイル

 私は現在、「Financial Free College」(FFC)という金融と起業の総合マネースクールを経営しております。その中で多くのFIRE達成者を輩出してきました。FIRE達成者の共通点をお伝えすることで、読者の皆様の資産運用のお役に立てれば幸いです。

◆金融資産1億円以上を保有する「年収500万円以下の会社員

 FIRE達成者には、2つのタイプがあります。

 1つ目は、事業で成功してお金持ちになったタイプ。2つ目は、蓄財優等生タイプです。

 野村総合研究所の調べでは、2019年時点で金融資産1億円以上を持つ世帯数は、日本に約133万世帯あるそうです(2020年発表)。

 これは日本の全世帯(5402.3万)のうち約2.4%。100世帯あれば2〜3世帯は億万長者ということ。学校で例えると、学年に何人かはいることになります。

 ここで驚くべきことは、金融資産1億円以上を持つ5世帯に1世帯は「年収500万円以下の会社員」だったのです。「資産家になる」「FIREする」ためには、“高給取りでなければならない!”という世間のイメージとは少し違ったデータになります。

 年収500万円以下の会社員FIREを達成した人は、いわゆる蓄財優等生タイプだったと言えるでしょう。FIREを達成するのに最も重要なのは、「年収」ではなく「貯蓄率」なのです。

◆起業して成功するのは難しいが…

 これらの基本情報を踏まえた上で、私が今までに見てきたFIRE達成者の共通点をご紹介致します。1つ目の事業で成功したタイプの方々は、起業して上場したり、事業売却をして莫大な現金を一気に手に入れ、そこから投資を学んで実践。アッサリとリタイアしてしまいました。この手のタイプは経済的自由を達成してから、旅行などをして数年休んでも、また起業する人が多いです。

 世界トップの富豪として知られるイーロン・マスクPayPalペイパル)を売却してTESLAテスラ)を起業したように、ビジネスで成功するのがある種の快感なのかも知れません。とにかく仕事が大好きな方が多いので、そもそも“リタイアしたい!”という願望が少ないと思われます。
 
 起業して成功するのは難易度が高く、再現性が低いということで、今回は2つ目の蓄財優等生タイプについて詳しく見ていきます。

◆目指すべきは再現性の高い「蓄財優等生タイプ

 2つ目の蓄財優等生タイプは再現性が高く、私の経営するFFCでFIREする方も実は会社員が多いです。そして、この手のタイプに共通していることは「固定費が低い」という点。

 FIRE達成者というと何億円も何十億円も株式を持っているイメージがあるかも知れませんが、私の知っているFIRE達成者は数千万円でリタイアしている方が結構いらっしゃいます。

 例えば、金融資産8000万円で株式5000万円、現金3000万円のポートフォリオで株式を年利4%で運用している場合、受け取る配当金もしくは売却益は年200万円、税金を考慮すると手取りは160万円程度と試算できます。

 え? 年収160万円でFIREできるの? と目を疑いますよね。

 しかし、年間支出が200万円くらいの方は少なくないんです。資産収入以外の残りの40万円はブログなどで収入が入る方や印税が入る方、家賃収入がある方など様々ですが、蓄財優等生タイプの方は、とにかく驚くほど固定費が低い。

 逆に言うと固定費が低ければ、少ない資産でもFIREが達成できるということです。

◆固定費が低くてもケチケチしているわけではない

 では、彼らは倹約アスリート並みにケチケチしているのか? というと、実はそうでもありません。

 固定費が低い理由として地方に住んでいて家賃が安い、持ち家で家賃が掛からない、お米や野菜などを無料もしくは安価で手に入れられる、車を所有しない……他にも色々ありますが、彼らは無理して節約をしてストレスのある生活をしているのではなく、好きな物やサービスを買い、仕事を辞めて自由な生活を手に入れて毎日楽しく暮らしている。

◆欲しいモノは買うけど、不要なモノは買わない

 蓄財優等生タイプの方々は欲しいモノは買うけど、不要なモノは買わないというイメージです。例えば、車は必要じゃないか? と思うかも知れませんが、彼らにとっては固定費が高くなってしまうし、健康のためにも歩くのが趣味だ! くらいに思っています。我慢して車を所有していないのではなく、純粋に不要と思っているのです。

 一方、事業で成功して圧倒的にお金持ちになった方々は、経費として認められる部分も大きいので、お金の使い方が豪快です。どちらのタイプも人生を楽しんでおられますし、共通しているのは、金融リテラシーが高いことです。

 もしかしたら羨ましいと思う方もいるかも知れませんが、蓄財優等生タイプFIREした方の中には、相続を受けた方も結構いらっしゃいます。しかし、いくら大金を得たとしても、金融リテラシーが低いとお金を減らし続けて溶かしてしまいます。実際に相続や宝くじ仮想通貨などで大金を得た人が3年以内にその資産のほとんどを失うという話はよく耳にします。

 資産運用するための原資を大きくした方法は人それぞれですが、FIREを達成する方に共通しているのは「金融リテラシーの高さ」と「固定費の低さ」です。読者の皆様もこの2点を磨き続ければFIRE達成がグッと近づくと思います。参考になれば幸いです。

<文/山口貴大(ライオン兄さん)>

【山口貴大(ライオン兄さん)】
金融・起業のマネースクールFinancial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tok世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネルライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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