イギリスのロンドン動物園が、4月に孵化したフンボルトペンギンの赤ちゃんたちの様子を公開した。
5羽のヒナたちは、残念ながら子育て初心者の親に育児放棄をされてしまった。やはり親の存在感は必要なようで、園内のギフトショップから貰ったペンギンのぬいぐるみが、子育てに一役買っているようだ。
Squawk season at ZSL London Zoo
4月中旬、ロンドン動物園ではある1組のフンボルトペンギンのカップルが、5羽の赤ちゃんの孵化に成功した。
しかしこのカップル、親になるのは初めてということで、ヒナが生まれて1か月で育児放棄してしまったようだ。ペンギンの世界ではわりとあることだ。
灰色の羽毛で覆われた5羽のヒナは、園にあるペンギン保育園で、専門の飼育員らが交代で、4週間にわたって屋内の熱ランプの下で世話を続けている。
ぬいぐるみ母さんをそばに置くことでヒナたちに安心感
だがやはり、親の存在感は大切だ。そこで園のギフトショップからペンギンのぬいぐるみを譲り受け、いつも見守っているように中央に配置することで、ヒナたちに安心感を与えているという。
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まだ小さいので性別はまだ不明だが、ペンギンぬいぐるみ母の活躍もあって、今のところ順調にすくすく育っているという。
飼育員の1人スージー・ハイドさんは、このように話している。
毎朝、5羽の体重を測定し、魚とビタミン、ミネラルをブレンドした特製ペンギン・ミルクシェイクを1日3回与えています。どの子も食欲旺盛で、孵化時は73gだった体重は、毎日着実に10%ずつ増えています。
もう少し大きくなったら、成長をサポートするために新鮮な魚を少量ずつ与えていく予定です。
園のギフトショップからペンギンのぬいぐるみを貰ったので、ヒナたちに寄り添うように置いて、保育園で5羽を育てています。(スージーさん)
5羽にはプラチナ・ジュビリーにちなんだ名前が付けられる
イギリスは、今年の2月6日にイギリス君主として歴代初となる在位70年を迎えたエリザベス女王を祝う『プラチナ・ジュビリー』により、1年を通して様々なイベントが開催される。
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そこで、ロンドン動物園のパトロンであるエリザベス女王のプラチナ・ジュビリーにちなんで、今回5羽には過去70年の有名人やイベントから取った名、ヒラリー、アポロ、ボビー、マック、バーニーという特別な名が付けられた。
ヒラリーは、1953年にエベレスト山を登頂した最初の人物の1人として知られるエドモンド・ヒラリー卿からで、アポロは1969年に月面着陸に成功したとされるアポロ11号からだ。
また、ボビーは1966年にワールドカップで優勝したイングランドのキャプテン、ボビー・ムーアに敬意を表して命名。更に、マックは2005年に世界新記録を樹立するためにノンストップで世界中を単独航海したエレン・マッカーサーから、バーニーは1989年にワールドワイドウェブを発明したティム・バーナーズ=リー卿から、だそうだ。
ロンドン動物園では5月28日~6月5日まで、プラチナ・ジュビリーのイベントとしてフェスが開催され、様々なアクティビティが用意されているという。
なお5羽は、体重が約3kgになる生後10週目まで保育園で育てられることになるが、その後水泳レッスン用の浅い水がある保育園プールに移される。
最終的には飼育舎に移動して、他の62羽のペンギンたちの仲間入りをすることになる予定ということだ。
References:These baby penguins are thriving with a little help from adorable stuffed animal surrogates/ written by Scarlet / edited by / parumo
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