カリフォルニア州に住むあるインド系住民が、目前に迫った親族の結婚式に先立ち深夜まで大音量でパーティーを開いていた。近隣住民からの通報を受け、現場には2人の保安官が出動した。当然保安官はすぐにこのパーティーを中止させるかと思われたが、なんと彼らは列席者と一緒になって踊り始めたのだ。

マンプリート・トゥールさん(Manpreet Toor)は、カリフォルニア州トレーシーに住むインド系の住民である。彼女のきょうだいのマンディーヴァさん(Mandiver)はフィアンセのラマンさん(Raman)との結婚式を控えていた。

彼らはインドのパンジャブ地方出身で、結婚式はジャッゴと呼ばれる伝統的な様式で行われる。式には多くの人が集まり、華やかで喜びいっぱいのパーティーが催される。

4月13日、マンプリートさんの叔母の家に友人や親族が集まり、パンジャブ地方の伝統的なスタイルのプレウエディングパーティーが開かれていた。このパーティーは深夜になっても続き、大音量の中で彼らは歌い、足で床を鳴らして踊り続けて興奮状態になるなど最高潮に達していた。お祝い事とはいえ、真夜中の屋外での騒ぎは大変な近所迷惑である。近隣住民からの通報を受け、サンホアキン郡保安官事務所から2人の保安官が出動した。

そして保安官がパーティー会場に現れると、その場は一気に緊張が走った。

「2人の保安官を見た時、これでお開きにしなければならないんじゃないかと恐れてしまったの。だってまだ始まったばかりだったから」と当時のことをマンプリートさんは語る。

しかしパーティーはお開きにはならず、保安官のとった行動が列席者を驚かせた。なんと彼らはダンスフロアに立ち、一緒に踊り始めたのだ。

マンプリートさんは「音量を下げることに同意するから、彼らに一緒に踊ってくれないかとお願いしたの。彼らはクールで落ち着いた態度だったわ。私は『ドアノブや電球を回す』と『タバコをもみ消す』という2つの動きを教えたのよ。彼らはそれに自由な動きを加えて踊ってくれたの。見事だったわ」と明かしており、お互いが冷静に話し合いをしたようだ。

2人の保安官の踊りにパーティーは大いに盛り上がった。列席者は携帯を取り出し、制服姿で踊る彼らをカメラで撮影し始めた。この様子を伝えた動画は、結婚式の写真撮影などを手掛けるカリフォルニアのカンダプロダクションによってインスタグラムに公開され、4.4万件の「いいね!」が付いた。

これに対し4月16日、サンホアキン郡保安官事務所も駆けつけた保安官がパーティーの参加者から受けた温かいおもてなしへの感謝の意をツイッターで伝えた。

「私たちの代表の保安官が結婚式の列席者から心からの温かいおもてなしを受け、スリリングな体験ができたことに感謝します。」

「家主の皆様が音を下げることに同意くださったことも、併せてお知らせしておかなくてはなりません。」

このツイートのリプライ欄には「素晴らしい動画だね」「パンジャブの踊りの完璧な動きとステップだよ」「これはセンシティブな問題だよね。コミュニティーとの良い関係を作ってくれてありがとう」と住民の生活を守るため、ダンスの要望に応じた保安官の対応を称賛する声で溢れている。

ちなみにインドの結婚式は幾日もかけて行われるという。2日後に執り行われた結婚式で、マンディーヴァさんとラマンさんは結婚の誓いを交わした。式の音楽は控えめに流され、そこには招待された2人の保安官も出席したそうだ。

画像は『India Today 2022年5月9日付「California cops arrived at a Punjabi pre-wedding ceremony after noise complaints. Viral video shows what happened next」(Image courtesy: Instagram)』『Kanda Productions 2022年4月15日付Instagram「When the cops get called,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 桃野まみ子)

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