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 猫がうっとりスリスリしちゃう植物がある。日本ではマタタビが有名だが、海外では西洋マタタビ(キャットニップ・イヌハッカ)と呼ばれるシソ科のハーブがそうだ。

 もちろん個体差はあるが、多くの猫はこの植物に引き寄せられ、体をこすりつけてくる。

 アメリカの女性はそうとは知らずに買ってきて、裏庭の植木鉢に植えたところ、野良猫がやってきた。更にその野良猫が子猫たちを連れてやってきた。

 女性の家の裏には、猫の集会場へと化していった。女性はこれをきっかけに、地域の野良猫の保護活動をするようになったという。

【画像】 知らずに植えた西洋マタタビは「猫あつめ」の草だった

 カリフォルニア州南部サン・ルイス・オビスポ郡に住むニッキーバーンさんは、去年裏庭の植木鉢に西洋マタタビを植えた。

 何かハーブ類を植えようと思い地元の苗木店に行ったのだが、残っていたのは西洋マタタビのみだったという。

 西洋マタタビは多種存在するが、そのほとんどは多年草で小さく可憐な薄紫や白色の花を咲かせる。ニッキーさんはこれでいいかと買って帰って来た。

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西洋マタタビの花 photo by iStock

 猫と育ったわけでもなく、周りに猫のいない生活をしてきたニッキーさんは、西洋マタタビが猫にどのような影響を及ぼすかということを全く知らなかった。

 ある日、裏庭の棚の上に1匹のトラ猫がいるのを見た。どうやらトラ猫は西洋マタタビに惹かれてやって来たようだ。

 その様子を見ていたところ、テラコッタの鉢に植えられた西洋マタタビを食べようとした猫は、勢い余ったのか、鉢を倒してしまったという。

 ミスターと名付けた猫は、その後毎日裏庭に来るようになった。ニッキーさんはそこでようやく、西洋マタタビが原因であることを知った。

 ミスターは首輪をしておらず、毛並みもあまり整っていないことから、野良猫だと判断したニッキーさんは、裏庭で餌と水を与えることにした。

 すると、ミスターニッキーさんの庭を安全な場所と思うようになり、数匹の子猫を連れてやって来た。てかミスター、メス猫だったんかい?

西洋マタタビがきっかけで地域の野良猫保護活動をするように

 ニッキーさんは、ミスターが連れてきた子猫たちがとてもフレンドリーなことに驚いた。

 やがて、ニッキーさんは裏庭を猫たちのための遊び場に変えた。猫用の玩具に加えてトンネルやキャットタワーを置き、暖房付きの猫用の家までも設置した。

 若い猫たちは、ニッキーさんとの交流を持つようになった。しかし、ミスターは距離を置いたままだった。

 ニッキーさんは、自分たちが危険な存在ではないことをミスターに示すため、最善の努力を尽くし、ついにミスターの信頼を勝ち取ることに成功した。

ミスターは、多分過去は人間には近付くことさえしなかった猫でしょう。でも、今は私たちとの距離を縮めました。近いうちに、ミスターが私の手からおやつを食べてくれるのを楽しみにしています。(ニッキーさん)

 そして、どうやらその日が来たようだ。

 その後、ニッキーさんは地元の猫救済・保護団体に連絡し、庭に来る猫たちの去勢・避妊手術を提供してもらえないかと頼んだ。

 それから1年後にわたり、ニッキーさんは地元の野良猫の保護活動に取り組むようになった。その全ては、知らずに購入した西洋マタタビがきっかけだったのだ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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知らずに植えたら野良猫が集まって来た。西洋マタタビがきっかけで猫の保護活動をはじめた女性